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でも、やっぱりAは悩んでいた。
焦凍にはああ言ったが、すごく大事なことであるとわかっていたからだ。
ヒーローはあこがれの職業。
どこかのテレビ番組で言っていた。
あの頃はどうしても理解が出来なかった。
ヒーローなんてみんな父と同じようなものだと思っていた。
でも違った。
A組のみんなは、そんなものじゃなかった。
ただ顔も知らぬ誰かを守りたい。
その一心で毎日辛い訓練や授業をこなしていた。
ああこれがヒーローか、とAはもうわかっていた。
それでもやはりトラウマとは根深いもの。
純粋に憧れるには、あまりにも強い記憶がいつでもAを苦しめていた。
3日ほど経った頃、Aはいつも通りリカバリーガールと日中を過ごしていた。
そんなとき、カラカラッと生徒相談室のドアが開く。
「失礼します！ リカバリーガール先生はいらっしゃいますか！」
「はいはい今行くよ」
「あ、いえ、少しお話したいことがあるだけなので、ここで大丈夫です！」
「そうかい。じゃあそこへ座りな」
話し出すリカバリーガールとその生徒。
Aはなんだか気になって、パーテーションの向こうを覗いてしまった。
「それで………ん？ どうしてここに子どもが……」
彼はヒーロー志望の2年生なのだが、さすが雄英で2年間学んでいるだけある。
ほんの少しの気配でAの存在に気づいてしまった。
Aは焦って言う。
『ごっ、ごめんなさい……！ わたし、ちょっときになっちゃっただけなの……ごめんなさい……！』
「Aちゃん、大丈夫だ。私ゃちっとも怒ってないよ」
怒られる、と思ってパニックになりかけたAだったが、リカバリーガールが優しく頭を撫でてくれたおかげですぐに落ち着いた。
リカバリーガールは男子生徒に言う。
「この子は諸事情で雄英で預かっててね。悪いが、他の生徒たちには口外禁止で頼むよ」
「了解です！」
そう答えた男子生徒は、Aの前にしゃがんだ。
やはり訓練しているからか、体格が大きい彼にAはほんの少し身構える。
すると、男子生徒は優しくほほ笑んだ。
「怖がらせてごめんよ、俺は2年B組の東魔だ！ はい、右手にご注目〜」
ポンッと音を立てて、彼の右手に飴が現れた。
―――――――――
(多分)番外編限定オリキャラ、東魔法也(とうまほうや)くんです！
ネーミングセンス……
個性は『
マジェスティックじゃないぞ！！
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作者名：月木あや | 作成日時：2023年7月19日 12時
