GFハウス ページ2
ユリside
母と慕う彼女は
親ではない。
共に暮らす彼らは
兄弟ではない。
ここグレイス=フィールドハウスは孤児院で
私は孤児。
そう思っていた。
朝6時ぴったりにハウスには鐘とエマの声が響き渡る。
｢みんな起きてー！朝ごはんおっくれーるよー！！！｣
私たちのここでの暮らしも10年。
気づけばすっかり最年長
『レイ、ノーマン、おはよ』
｢おはようユリ、レイ。今日もエマの声響き渡ってるね笑｣
｢おはよ。あいつ何歳だ？｣
『それ以上言ったらまたエマがムキになるよ笑』
年少者の手伝いをしながら雑談を交わす私たち。
じゃあ、私着替えてくると言い残して部屋を出た。
｢あ！ユリ！おはよう！｣
『おはようエマ。今日も元気いっぱいじゃん』
フィル達が“靴が履けない”“紐が結べない”
そうエマに語りかけているのが見えるけど、私を見るなりそのうちの半分はこっちに飛んできた笑
｢ユリ！髪の毛して！｣
『いいよー、先お着替えしよっかー？』
｢はーい！｣
みんなで過ごすこの時間が大好き。
性格も、年齢も、肌の色も、髪の色だって様々。
私たちは血の繋がっている兄弟じゃない。
たった1人を除いて。
『はい完成！』
｢ありがとう！ユリ！｣
あ、時間がやばい。
小走りで食堂に向かう。
ママの後ろ姿が見えた。
『おはよう。ママ。』
｢おはようユリ。よく眠れた？｣
『ばっちり。って、見てまたやってるあの3人、』
｢ふふ、ユリも入ってきていいのよ？｣
『私はいいよ。』
｢ほっはよー！！｣
｢
｢元気だねぇ笑
まだ朝ごはん前なのに笑｣
｢お前いくつだ？5歳？｣
｢むっ！2人とユリと同じ11歳！！！｣
小さくエマが“こんなんだけど”といっているのを見て耐えられなくなったママが笑いをこぼした
｢エマ、こっち手伝って｣
｢ママぁ…｣
『エマ“もっかい入口からやり直す”とか言うでしょ笑』
｢え！なんで分かったの？！｣
｢どうして？私は好きよ？エマのそういうところ｣
｢中身5歳のところ？！｣
『違うよ、ママが言いたいのはかぞくみんなを大切に思っているところの方だよエマ。』
｢ええ、ユリもでしょ？｣
『勿論。』
ママはエマの耳たぶを触った。
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作者名：ゆる | 作成日時：2022年3月28日 18時
