【約ネバ】兄妹

11 ページ11

『エマは？』


レ「今日もノーマンとどっか行った」


『…そっか』



今日も、か。


2人が話してくれるまで待つなんて言ったくせに、気になって仕方がない。




重大なことなら尚更教えてほしい。


話してくれないのは頼りないから？


…私じゃ力不足だから？




考えれば考えるほど自分が情けなく思える。



そんな私を見て、レイはため息をつきながら立ち上がった。



レ「アイ」


『…なに』


レ「ツケるぞ」


『は』


__________


2人の後をこっそりついていくのは簡単だった。



『…でも、なんか2人に悪い』



勢いでレイについてきてしまったが、罪悪感がないわけがない。




レ「めちゃくちゃ気になってるくせに。


思いっきり顔に出てたぞ」


『うっ』



図星だ。何も言えない。


やっぱりレイには何もかもお見通しなのか。



レ「この前のこと聞くだけなんだから、やましい事なんて１つもないだろ」


『…うん、そうだよね』




レ「ま、アイはビビリだから仕方ないか」


『だ、だからあれはレイがいきなりベルを鳴らしたからであって、私がビビリなわけじゃない』


レ「はいはい」





そう言って私の頭をくしゃっと撫でる。



『…』



いつもは意地悪なくせに、こういう事してくるから憎めないんだ。

12→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す