21:ちょっとは意識してる ページ26
・
黒尾のマンションは駅近で、いわゆるちょっとお高くていいところに住んでいる。
だから内側に入るのにも、エントランスで黒尾の部屋のインターホンを押して、ヤツを呼び出さねばならない。
それがちょっとめんどくさくて、来るのが億劫になってしまう。行くけどね。
鍵が開いて、エレベーターで上り、部屋の前まで行って、またインターホンだ。
ほらね、ちょっと、いや結構めんどくさい。
「いちいち面倒くさそうな顔するのやめてくださーい」
ガチャり、と、ドアが開くと、グレーのスウェットを着た黒尾が、かきむしるようにして髪の毛の水滴を首からかけたタオルで拭きながら出迎えた。
尖っているいつもの変な寝癖がなくて、前髪がペタンコになっている。
初めて見た時は「え?おにいさん?」って思わず聞いちゃったけど、2回目ともなれば少し耐性はある。
が、しかし。
いつもの加工された黒尾の匂いではなく、シャンプーの柔らかい匂いが鼻をかすめてくるのは、少しドキドキするから、むかつく。
「だってインターホン2回押すのめんどくさいし」
「まあ、」
「黒尾のパシリだし」
「うーん、」
「黒尾のせいで衛輔と喧嘩?みたいなことになったし」
「そうだな、・・・って、いやいや、ハァ?」
リビングに繋がる廊下を、黒尾について行くように歩きながら文句を言っていたら、そこで急に振り返るもんだから、「わ」と間抜けな声を出してしまう。
黒尾は、顎に手を当てて難しい顔をしている。
「ん?なんで?昨日の夜一緒に帰ったじゃん」
「夜はなにもなかったの、問題は朝」
「えっ・・・、ちょ、待て」
普段はコンタクトらしい彼。
きっと今はしていないんだろう。
まるで一瞬の動きも見逃さないように、私の顔をじっと見つめたまま、肩を持って鼻と鼻の距離を詰める。
570人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mika - すごく面白いです!続編書くの頑張ってください! (2019年4月27日 7時) (レス) id: 7da54b6545 (このIDを非表示/違反報告)
ファンミ - 続編おめでとうございます!!!!いつも(夜っ久ぅぅぅぅぅん)と心の中で叫んでおります(笑)これからも頑張ってくださいね!!!!!!! (2019年4月2日 22時) (レス) id: c64ff5576e (このIDを非表示/違反報告)
霧雨(プロフ) - こんばんは!続編おめでとうございます!この作品始まった頃から読んでてとても素敵だなと思ってました!もちろんその時からお気に入り登録してます!こーた@しぐシグさんの作品大好きです続編でも更新頑張ってください!長文コメ失礼しましたm(__)m (2019年4月2日 19時) (レス) id: ad5e0a46a7 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 続編おめでとうございます!夜っ久ん大好きなのでとても嬉しいです!これからも頑張ってください! (2019年3月31日 17時) (レス) id: a3fef1207a (このIDを非表示/違反報告)
こーた@しぐシグ(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございますー!やっぱり最初はドキリとしますよね!作者もしてやったりです!(笑)続編でも楽しんでいただけるよう頑張ります(;_;)! (2019年3月31日 8時) (レス) id: 83e7c0c0a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こーた@しぐシグ | 作成日時:2019年2月15日 17時