猫の群れはマネージャーを求む【音駒】

目覚め ページ25

・黒尾 side





黒「…A」



「ん？…あぁ、来てくれたんだ！バカ、みたいだよね…大切なものを見失って、認められることを最優先にして……結局私の決断は間違った。…もう、分かんないな。バレー、完治してもブランクあるし…激しく出来ないみたいだし」



黒「…A、俺と一緒に音駒行こーぜ。推薦断ったんだろ？」



「え？あー…まぁ、そりゃあバレー出来ないし……クロは音駒なんだっけ。…いいよ、行きたいとことかないし」



黒「お前もう王子、やめろ」



「…あはは、無理。……癖に、なったんだ。王子やってないと怖いの」



黒「っ……お前は、どうしたら変われるんだろうな」



「多分もう一生…変わることなんてないよ」



Aは否定されても…王子から抜け出すことは出来なかった



王子以外に道が分からなかったから



黒「…頼む、アイツには俺や研磨じゃダメなんだ。…救ってやってくれ」







・




「………ん…」



研「あ、起きた？」



「…け、んま…？」



研「うん、おれ。大丈夫？倒れたんだよ」



「……あー…ごめん……右足に、当たったのか」



研「そう。…Aにはさ、もうおれやクロだけじゃないじゃん。きっとみんな分かってくれ」



「っバカな私を見せろってこと！？ダメだよ、私は王子じゃないと認められない！……王子が、みんなが望む姿…の、はずだから…」



戻れない



私が今更可愛いものを身につけて、好きなように生きたとして



…それで、許されるはずがない



またバカにされる



「もう、苦しみたくない」



研「…今、苦しんでるじゃん。王子やってて」



「……ぇ」



研「どうせ苦しむならさ、自分のやりたいようにやって苦しむ方が良くない？…おれにはAのみんなに認められたいって気持ちはわからないけど…AがAじゃないの、おれ嫌だから」



「っ…！！」



研「…立てる？体育館、戻ろう。みんな待ってる」



「…う、うん……」



クロが、何かを話しているんだろうか



…怖いな



嘘つきだって言われるかな



せっかく手に入れた面白い場所なのに



……嫌だなぁ…

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