真実 ページ5
それは、三歳の時だった。
私の実の母が、交通事故で死んだのは。
黒い服に身を包んだ父が、静かに、目を閉じた母の前で泣いていた。
父は、非常な愛妻家であった。
その一年後だったと思う。
父は列車に跳ねられて、死んだ。
父も母も、桜の花が散ると共に、私の目の前から姿を消した。
父は自 殺だと聞く。
私はそれを信じたくはなかった。
父は自 殺なんてするような人間でないことは、
私がよく知ってるはずだった。
間も無くして、私は母の姉の家庭へ引き取られた。
二人は子供が欲しかったようで、私を喜んで引き取った。
私に奇妙な異能があったことがわかったのは、そのあとである。
それは酷かった。
ことある事に二人は私を蔑んだ。
本当に父は自 殺だったのか?
二人は気になりだした。
自 殺は保険金が降りないことになっている。
二人は、ある刑事に探偵を依頼した。
それは私が、十の時であった。
大きな刑事のかわりに、小さな探偵が来た。
ひどく、我儘な探偵であった。
探偵は云った。
彼は自 殺だと。
許せなかった。
そんなわけない、父が自ら命を絶つなど!
ありえないありえないありえない!
あっていいはずがない!
そんなことが!
何度も探偵に講義した、探偵はめんどくさいという顔をするだけで去っていった。
莫大な金を残して、義母と義父は飛行機の交通事故で死んだ。
私の両親を金の木としか思っていなかったあの二人が。
だが謎は残っていた。
父の死の真相。
そして母はなぜ死ななければいかなかったのか。
自己満足だろうか?
それでもいい。
証拠は何もない。
だから真実を見ることは許されない。
もし見たのなら、犠牲に大勢死ぬ。
それだけは許されない。
ならば自分の目で確かめる。
探偵になる決心をしたとき、私は心に誓った。
そのために。
私は、江戸川乱歩たる探偵に近づいた。
必ず、真実を暴いてみせる。
そのための、私自身の犠牲など厭うものか。
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はーい!シリアスからのくそみたいな作者コーナーです。
投稿が大幅に遅れて申し訳ありません(〜_〜;)
これから気をつけますね……うーん。
……言うことないな。
あ、ちなみに。
今まで曖昧になっていた、最初に二人が遭遇した事件、鶴亀島の事件など、今回のクライマックスで全て繋がります。
どうぞ、ご期待ください!
文才がついていかない\(^o^)/
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作者名:丸ノ内マルフォイ | 作成日時:2020年1月26日 20時