79 ページ32
『というかなんで殺意の対象が私になってるんですかくそが』
「そこにおるから」
『居ろ言うたんアンタやんけ』
「俺は別に言うてないわ、グルッペンやろそれ」
『グルッペンもトントンもカタカナだから一緒だろ』
「は？」
『滑りました』
言われっぱなしもムカつくし、いつ買ったのかわからない反感を一方的に向けられても居心地が悪いので子供のように言い返すと、足元に銃弾がめり込んだ。
ちょっと感情的過ぎません？
『トントン様』
「………いらんわ、出てけ」
『トントン様』
「出ていけ」
目頭を抑え、何度か瞬きをしたあと堪えるような声が落ちた。
それは幾分かは落ち着きを取り戻した音で、だけど命令的な口調に切羽詰まっていることが伝わる。
何がそんなに彼の思考を乱しているのだろう。
最近は和解できたと一人勝手に思っていたのに、どうして今日はこんなに感情的なのだろう。
少々不思議に思い、彼の忠告も聞き流してトントン様に焦点をあてる。
＿＿＿ああ、そういうことか。
こちらを見てない事をいいことに、数歩彼に近寄り机を挟んで身を乗り上げる。
少し横でグルッペン様が笑う気配がした。
『＿少々失礼します、トントン様』
一つ断りを入れ、片手で彼の両頬の輪郭に手を添えて、グッとこちらに近づける。
濃い黒ずみの上で赤が僅かに揺れた。
「は、…？」
『ああ、やはり。
トントン様、昨日何時間寝られました？』
動揺を隠せない双眼から目を離さずに、優しく論するように質問する。
「………昨日、…というか今日は、二時間、」
『ここのところずっとそんな感じですか？』
「……お、ん。」
『いま眠気は？』
「ない……というか、なんやねん、お前。
もうええ、」
『良くないです、聞いてくださいトントン様
グルッペン様も。』
一つ、息を吐いて。
『今のトントン様は非常に危険な状態です。
一度私も経験した事があるのですが、ここ最近その睡眠時間でこの労働量なら当たり前ですが足りません。
その上、身体的疲労は感じているのに眠気は感じられないということは自律神経失調症に近いかと。
いいですか、これは立派な睡眠障害です。
その生活習慣が日常になっていようが、あなたの身体はその生活についていけていません。その結果が今です。
恐らく、このままいくと貴方死にますよ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1085人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霧人 - めっちゃ満たされました。くそオモロかったです更新頑張ってくださいですおすし (2022年7月22日 23時) (
レス) id: 07b1c47183 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 面白かったです！ (2022年2月3日 6時) (レス) @page39 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
ニヒツ - リズム感のあるボケとツッコミ好き！笑いすぎて四肢爆散しました() (2021年12月5日 20時) (レス) @page30 id: 32127d00d4 (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - 久しぶりにクソ笑ったわ！www 作者様天才では案件についてそこんところどうでしょう更新してくれさい (2021年10月24日 18時) (レス) @page39 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
神無月*楓さん過激ファン(プロフ) - あ、新作いってきます(´>ڡ∂`) (2021年10月10日 23時) (レス) @page39 id: 804ec0cc68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鶏肉 | 作成日時：2020年6月6日 16時
