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大倉側
山下を睨み、何も言わずに亮ちゃんを抱え、その場を去った。
その帰り道。亮ちゃんを抱えながら歩いていた。
亮「ぐっ…ふうっ…」
なんだか苦しそうに息をしている。こんな場面は何度も見た。
きっと、夢の中で苦しめられているのだろう。
起こしてあげたい。でも、今起こすと夢と勘違いして、殴ってくるから。
ゆっくりと眠れる事を願うことしかできないんだ。
辛い経験だってあるよ、俺も。過去は嫌い。
俺は生まれてすぐ親に捨てられた。
本当の親の顔は勿論見たことがない。
今の親に愛されて、生きてきた。
いらない子として生きるよりよっぽどいい。
だから、捨てられてよかった。いい親に出逢えたから。
でも、交通事故で亡くなった。2人とも。
その轢いた方の運転手は、俺の本当の親父。
もう、親とは思いたくない。他人、垢の他人。
そんなこと思っていた。
本人と会うと
「おお、元気だったかー、俊太」
何て、呑気に俺の前の名前を呼んだ。
忠「人違いじゃないですか、俺は俊太じゃないです」
完璧に交わした。もう、見たくないと思い、帰ろうとすると
「俊太っ、何を言っているんだ、父さんと家に帰ろう」
腕を掴まれた、汚い、汚れた手で。
忠「あんたは俺の親ちゃう、俺の気持ちも知らんと、
家に帰ろうだの、うっさい。俊太ちゃう、触るな」
そう言って、軽く睨んで帰った。
あの人の目に涙が浮かんで見えた。なぜ、あの人が泣く？
泣きたいのはこっちだ。捨てた本人が泣くんだ。
腹が立った。
これが俺の過去。
そんなこと考えていると、亮ちゃん家に着いた。
亮ちゃんのポケットから鍵を出す。
忠「亮ちゃん、鍵借りるでー…」
小声で、さっきに比べて落ち着いて眠っている亮ちゃんに伝える。
何故か、亮ちゃんが少し笑った気がした。
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安田やすす(プロフ) - 結構面白いですね。頑張ってください。グロイっていってたけど、そうでもなかった。 (2016年4月5日 11時) (
レス) id: 7f19e32d61 (このIDを非表示/違反報告)
★神風 智翔雅和潤★(プロフ) - ありがとうございます。 (2013年11月15日 17時) (レス) id: 2d8210b862 (このIDを非表示/違反報告)
翔夏 - 面白い作品ですね。更新頑張ってください。まってまーす。 (2013年11月15日 17時) (レス) id: 7e1aff82ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KAMIKAZEJSMSN | 作成日時：2013年9月23日 2時
