私の執事たち【SnowMan】

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やることもなくて部屋から出たら

玄関で何か作業をしている岩本さんに出会った。


岩「お嬢様、どうかなされましたか？？」

『いや、ちょっと散歩しようかなとおもって。

　岩本さんはなにされてるんですか？』

岩「お花を飾ろうと思いまして。」


お花のおかげか、何もなかった玄関が

少し華やかに、温かくなった気もする。

というか、敬語、忘れてた。


岩「宮館がお花に詳しくて、用意してくれたんです。

　 トルコキキョウというお花らしいですよ。」

『トルコキキョウ…綺麗な色。』

岩「ピンクのほうは『優美』、こちらの薄紫色の

　 トルコキキョウは『希望』という花言葉だそうです。」

『希望…。優美…。』

岩「これは私達からのプレゼントでもあるんですよ？」

『え？』

岩「お嬢様への、誕生日プレゼントです。

　 宮館がお嬢様に合いそうな花を選んでくれたんです。」


こんな素敵な花言葉のお花、プレゼントされたことない。

というか、執事からプレゼントを初めてもらって

嬉しくないわけがない。

『ありがとう、嬉しい。』



岩「…お嬢様は、笑顔がお似合いです。」

『え・・・？』

岩「お迎えにあがった時から緊張されているというか

　 どこか元気がなかったので。」


そりゃそうだ、家でこんな温かくなったの初めてなんだから。

今の私なら、いけるかもしれない。


『ねぇ、何て呼べばいい…？』

岩「呼び方、ですか…？」

『うん、あの、執事さんに敬語使わないのなんて初めてで。

　敬語じゃないのに「岩本さん」なんて変かな…って。』


言えた、しっかり目を見て。


岩「そうですね…お嬢様はもう少ししたらパーティーなどに

　 ご出席されると思われます。その際は通常ですと

　 苗字を呼び捨てがよろしいかと。」

『なるほど…。』

確かに、普通はそうなのか。そんな気もする。

でも思ったよりハードル高いし、距離は縮まらないか…。


岩「……お嬢様のお好きな呼び方で構いませんよ？

　 あだ名をつけていただけたら、とても嬉しいです。

　 旦那様の前や、パーティーなどに出られる際のみ

　 気を付けていただけたら。」

何かを察してくれたのか、そう言ってくれた。

でも、あだ名なんて…。

『分かった、考える。』

岩「はい、楽しみにしております。

　 他の者もどこかで作業していると思いますので

　 探しに行かれてみてはどうですか？」


そう言われて、私は他の人も探すことにした。

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