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『あれ?Aじゃない?』
「へ?」
『俺だよ、俺。』
帽子とサングラスとマスクを脱いで顔を見せてくれた彼は風磨くんだった
「あ...風磨くんっ...」
『え?!?!てか泣いてんの?!』
「な、泣いてない!」
『いや、めっちゃ泣いてるし!』
トボトボ下を向きながら歩いていた私は、偶然風磨くんに見つかってしまった
「泣いてない泣いてない!!全然泣いてないから!!!!」
変な意地を張っていた私は、強めに泣いてませんアピールをしていた
『わかったわかった、わかったから!とりあえず飲みにでも行くか!』
「え、今日は行かない」
『ダメ!!!泣いてる女の子みてそのまま家に帰すワケにはいかんでしょうが』
「だから泣いてないってば!」
『はいはい、わかったから行くぞ』
私は風磨くんに無理やり手を引っ張られて帰り道とは逆方向に足を運んだ
『俺もさっき仕事終わって、ちょうどAに連絡しようと思ってたからさ。偶然会えてラッキーだったわ!泣いてたのは予想外だったけど。笑』
「もう!笑わないでよ!」
『ごめんごめん、なんかあった?』
「...言いたくない」
『そっか。言いたくなったらいつでも言えよ?俺がなんでも聞いてやる』
「風磨くん...ありがとう」
『よし!!今日は飲むか!!!!』
そう言って風磨くんは私にオススメの飲み屋さんを紹介してくれた
『ここのだし巻き玉子がめちゃくちゃ美味いのよ』
「へぇ〜!美味しそう!!」
売れっ子モデルだから、てっきり気取ったバーとかに連れていかれるのかと思ったら、風磨くんは仕事帰りのサラリーマンがたくさん居るような大衆居酒屋に連れてきてくれた
『魚も新鮮でめっちゃ美味いから!しかも安い!』
「ほんとだ〜!全部美味しそ〜〜!!」
『今日は俺の奢りだ!いっぱい食え!』
「いいの?!やったー!」
『じゃんじゃん頼めよー!あ、酒もバンバン飲めよー!』
「ありがとう!てっきりお洒落なバーとかに連れてかれるのかと思ったよ。笑」
『あ、そっちの方が良かった?』
「ううん!こっちの方がいい!!料理もお酒もめちゃくちゃ美味しいっ!」
『良かったー!ここ俺のお気に入り!週5で来てるからいつでも連れてってやるよ。笑』
「ありがとっ笑」
なんだか今は風磨くんの優しさが身に染みる。
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PEACH(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!とても嬉しくて励みになります。ご期待に添えるよう更新頑張りますね! (2018年8月31日 6時) (レス) id: c9dd77ba58 (このIDを非表示/違反報告)
M - こんばんは。久しぶりにハマる小説に出会いました。読む度に次が気になって気になって仕方がないです。お忙しいとは思いますが、更新頑張ってくださいね。待ってます。 (2018年8月31日 4時) (レス) id: b5553bf880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:PEACH | 作成日時:2018年8月1日 9時