私のヒーロー【成宮鳴】 (ページ8)

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幼馴染の鳴くん① ページ8

「あざしたー！！」

これで今日の練習は終わりのようだ。

すっかり日も暮れて、私たちは後片付けをしていた。

「A！お疲れ様！」

『美香ちゃんもお疲れ様。』

「いやぁすごかったなぁ。私、初めてこんな間近で野球部の練習見たよ。」

『そうなの？』

そういえば美香ちゃんは野球の知識があまりないって言ってたな。

どうしてマネージャーになろうと思ったのか気になり声をかけようとしたら

貴子先輩に呼び止められた。

「二人共、今日はお疲れ様。初仕事どうだったかな？」

「すごく楽しかったですー！みんなの気迫がすごくてびっくりしちゃいました。」

「これから夏に向けて忙しくなるから二人共頼んだよ。」

『「はい！」』

そうして片付けも終わってやっと帰路につく頃、携帯を開いてみると

ありえない着信とメールの数に思わず携帯を落としてしまった。

「A！？どうしたの？突然携帯なんか落として……。」

落とした携帯を美香ちゃんが拾って、徐ろに立ち上がろうとした時――

「め…い……くん？うわっ、すごい着信の数……・。
どうしたのこれ、彼氏くん？？」

『ち、ちがっ！！彼氏……ではないけど、幼馴染だよ。
今日何時に終わるか聞かれてて、マネージャーのこともあったからすぐにはわからないから
また後でわかったら返信するねって言っておいたんだけど……。』

「なるほどねぇ。それで返信し忘れちゃったわけだ。」

恥ずかしくて下を向いたまま縦にコクっと頷くと

美香ちゃんが悪戯なニヤッとした笑みを私に向けてきた。

「まぁまぁ。何かあったら私でよければ相談乗るからさ！
早く返信しときなよ！」

『う、うん』

「ってか、めいくん？だっけ？他校なの？」

『うん。鳴くんは稲実の2年生だよ。』

「年上か……やるね、Aちゃん。」

『もうー！ちがうからー！』

「ほらほら、私に威嚇してないで早く返信して帰っちゃいな！」

『あぁー！そうだった！美香ちゃん、また明日ね！ありがとう！』

「また明日ねー！」

日も暮れてきて周りも暗いため、私は美香ちゃんに手を振りながら走って家に向かった。

途中、信号待ちで鳴くんにメールの送信を済ませて家へと急いだ。