私のヒーロー【成宮鳴】 (ページ46)

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頑張りすぎ① ページ46

「ホントに気にすんなよ。俺はどこも痛めてねえからよ。」

倉持先輩はそう言ってマネ室にあるパイプ椅子に腰を掛ける。

『わかりました……でも何かあればすぐに教えてください。』

「おう。」

そして私はそのままマネ室で休んで、後片付けを少し手伝って御幸先輩に送ってもらって帰宅した。

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「明日も無理すんなよ。身体、弱いんだろ？」

『大丈夫です。寝れば元気ですから！！』

「ほんとかよ。とにかくゆっくり休めよ。」

『はい。練習終わりなのに送ってもらっちゃってすみませんでした。ありがとうございます。』

「全然平気だから気にすんな。じゃあな。」

御幸先輩はそのまま手を振りながら来た道を歩いて行った。

玄関を開けて荷物を下ろしローテーブル付近の座布団に腰を掛ける。

今日はすごく迷惑をかけてしまった。あれで倉持先輩に怪我でもあったら私はみんなに顔向けできなかっただろう。こんな大事な時期に……。

いろいろ反省をしながら携帯を眺めていると突然携帯が震えて吃驚してしまう。

画面には"鳴くん"の文字。

『もしもし。鳴くん？』

「A！久しぶり！！」

『久しぶり。急にどうしたの？』

「え？特に用事はないけど？？」

『へ？そうなの…？鳴くんも練習で疲れてるんだし明日練習試合なんだから……』

「俺はこの時間も癒しなの！！」

『そ、そう？休めてるんならいいけど……』

電話越しなのになんとなく鳴くんの表情がわかってしまって少し笑いそうになってしまう。

「……A、なんかあった？」

『え…な、なんで？』

「なんとなく。いつもより元気なく感じるからさ。」

鳴くんも美香ちゃんと同じ能力の持ち主か何かなのか……？

どうしてこうもすぐにバレてしまうのだろう。…まぁ鳴くんに関しては昔からだけど。

『うん…今日練習中にみんなに迷惑かけちゃった。』

━━そう言って鳴くんに今日あったことを話す。

『……ってことがあって。私みんなのサポートする為に居るのに、私が迷惑かけちゃって、危うく怪我させちゃいそうだったから……。』

「今は大丈夫なの！？」

『私は大丈夫。明日の練習試合も行く。』

「そっか。Aは自分の身体のこともっと考えて？それに今日のことはさ、そんな気にしなくていいんじゃない？」