私のヒーロー【成宮鳴】 (ページ45)

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心配② ページ45

『んっ………』

「逢阪！大丈夫か？聞こえるか？」

「く、くらもち…先輩？」

「A！！大丈夫！？」

気づくと私は地面に座っている倉持先輩に抱えられていて、周りには御幸先輩や美香ちゃん、みんなに囲まれていた。

「お前、突然倒れまったから。」

『たお…れて……？』

「中に運んでやろうかと思ったが、すぐに目を覚ましてくれたからな。安心したぜ。」

あ、そうか。私、話してる途中で意識が一瞬だけ……━━━━

『……━━っ！！！ご、ごめんなさい！！倉持先輩！！！！！』

やっと状況を理解して、全てを悟った私は血の気が引いた。

すぐに抱えてくれていた倉持先輩の腕から逃れて、倉持先輩に向き直った。

「い、いや、別にいいけどよ、お前は平気なのk……━━」

『平気です！大丈夫です！！倉持先輩は！お怪我はありませんか！？！？』

「俺はだいじょうb……━━」

『足とか！手とか！！痛めてませんか！？正直に言ってくだ……━━』

「逢阪！！落ち着け！！」

『っ━━！』

倉持先輩に肩を両手で掴まれて正気を取り戻す。

「俺は、大丈夫だ。」

『……はい。』

「お前は、中に入って休め。」

『………はい…。』

そう言って立ち上がろうとすると御幸先輩に阻まれた。

「無理に立つな。連れてってやるから乗れ。」

『え…でも……』

「いいから心配すんな。」

御幸先輩はそう言って私を姫抱きにして立ち上がった。

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御幸先輩に運ばれマネ室のソファーに降ろされる。

「気分悪くないか？」

『大丈夫です……。ご迷惑をおかけしてすみません。』

「気にすんな。合宿で遅くまで逢阪も残ってくれてんだから少し疲れてたんだろ。」

御幸先輩はそう言うと少し微笑んで私の頭を優しく撫でる。

『倉持先輩は……大丈夫でしょうか。どこか痛めてないといいですけど…。』

「大丈夫だ。すぐに怪我するような奴じゃねーよ。頑丈だからな！」

「おい。その言い方はねえだろ。」

突然御幸先輩以外の声が聞こえた方に目を向けると、ちょうど倉持先輩と美香ちゃんがドアから入ってきたところのようだ。

「Aー！！大丈夫！？これ飲む！？！？」

『美香ちゃん…ありがとう。心配かけてごめんね。』

美香ちゃんが持ってきてくれたポカリを受け取って口を付けた。