幼馴染と友達�� ページ26
ゼェゼェ息を切らしながら突っ込みまくる私。
「ハハハ。ごめんってA。」
『美香ちゃん……全然悪いと思ってないよね…。』
「バレた？」
美香ちゃんめ……。
「っていうか、」
美香ちゃんを睨んでいると、突然私の顔に鳴くんが顔を近づけて話しかけてきた。
『な、なに……？』
やばい……鼻と鼻が触れそうな距離。
鳴くんの綺麗な青い瞳が近すぎて、吸い込まれそうな感覚に襲われる。
「俺さ、前言ったよね？」
あまりにも真剣な顔で迫ってくるから、思わず鳴くんの胸板を両手で押そうとすると
鳴くんに手を掴まれて引き寄せられてしまった。
「"いずれ彼氏"って言ったよね？俺本気だよ。」
鳴くんが話す言葉を必死に理解しようとしているが、どんどん鼓動が早くなって体が熱くなって思考が追い付かなくなってる。
「あー……だめですね、成宮さん。A、思考停止してます。」
「もう！A！戻ってきて！！」
『…へ？な、なに？？？』
鳴くんに名前を呼ばれてハッと我に返る。
気づけば鳴くんは私から顔を離して、額に手を当てて困ったような表情をしていた。
「美香ちゃん…だっけ？」
「はい！！なんでしょうか成宮さん！」
「Aが変な男に引っかかんないように面倒見ててくれない？」
「もちろんです！この七瀬美香にお任せください！！」
『え！？なんでそうなるの！？！？』
納得がいかず鳴くんを睨むと、鳴くんの片手が私の頬を両側からムニュっと挟んだ。
「Aが鈍感すぎるから。いいから文句言ってないで美香ちゃんに面倒見られててよね。」
『んーむ！むっ！！んんんっ！！！！』
抵抗してみるも鳴くんの力に勝てず上手くしゃべれない。
すると意地悪な顔をしながら見てくる鳴くんの後ろから、ガタイの良い男の人が歩いてくるのが見えた。
『んー！！！むっ！！んん！むーっ！！！』
「えー？なにー？聞こえなーい！！！！」
鳴くんに頑張って警告しようとするも、彼はすっかり私に意地悪することを楽しんでしまっている。
「Aどうしたのー？ほら、何が言いたいのー？」
『んむっ！むーっんむっ！！』
「ハハハ。A可愛いねー。もうずっと見てたい！」
「……お前はずっとここにいるつもりか？」
「ぜひともそうしたいねー！……んっ？」
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作者名：焼海豚 | 作成日時：2021年3月18日 15時
