私のヒーロー【成宮鳴】 (ページ25)

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幼馴染と友達① ページ25

『なに！？声出てる！？え！？』

「出てた出てた。ハハハ、A慌てすぎ。」

『っていうか鳴くんは彼氏じゃない！！』

「ごめんって。」

ニヤニヤしながら話してくる美香ちゃんに頬を膨らませている私。

「あ、ほら、来たよ。彼氏。」

『だから！鳴くんは彼氏じゃ…━━っ！？』

「Aーーーー！！！！」

美香ちゃんが私の後ろを指差しながら言うもんだから、否定しつつ振り向くと、私を目掛けて猛ダッシュしてくるシロアタマの男の子。

『め、めい、くっ━━！』

私が彼の名前を呼ぶよりも先に、猛ダッシュして来た鳴くんに抱き上げられ、くるっと一周回ってから降ろされた。

「Aー！会いたかったよ！」

『吃驚しちゃった……。』

「まさか球場でAに会えるって思ってなかった！」

そういう鳴くんはとびっきりの笑顔を向けてくる。

『ってかこんなところで私のこと抱きかかえたりしないでよ！』

「え？なんで？別にいいじゃん！」

みんなの目が気にならない鳴くんは何も悪びれることなく言う。

私と鳴くんは青道と稲実だから…目線が……。

「そんなことよりさ、さっき俺のこと彼氏じゃないとか叫んでたよね？」

『え、聞こえてたの……？』

「そりゃあ、Aの声なんだからすぐわか━━…」

『地獄耳！！！』

「は！？なにそれ！！！ひどくない！？」

知らずのうちにじゃれあってしまったため、隣からニヤニヤと見ている美香ちゃんに気づく。

見つめてくる美香ちゃんに鳴くんも気づいたようだった。

「Aの友達？」

『う、うん。』

「はじめまして！七瀬美香です！いつもAとは仲良くさせてもらってます！！」

「俺は成宮鳴。よろしくね！」

「あなたが鳴さんなんですね！Aからよく聞いてます！！」

「へぇ？なんてきいたの？」

「それはですね……」

『ちょ！ちょっとまって！？』

ニヤニヤしながら話す美香ちゃんに、状況を楽しんでいる鳴くん。

嫌な予感しかしなくて思わず話してるのを遮ってしまった。

「なに？A、ヤキモチ？」

『ち、ちがっ……』

「大丈夫だよー？成宮さんがAの彼氏かどうか確認するだけだから。」

「あ、うん。彼氏だよ？」

『なんにも大丈夫じゃないし勝手に進めないでよ！！ってか鳴くんもなんで彼氏とか言うの！？』

駄目だ……この2人、手に負えないよ……。