私のヒーロー【成宮鳴】 (ページ19)

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はじめての御幸先輩② ページ19

御幸先輩に家までの道を案内しつつ、横に並んで話しながら歩いていた。

こうしてみるとやっぱりすごく顔立ちいいんだなぁ。みんなから御幸先輩はモテるって聞いたけどその理由も納得する。

そう思いながら歩いていると御幸先輩が少し戸惑ったような顔でこちらを見た。

「あ、逢阪……なんでそんなガン見すんの？」

『え！？あ！すみません！！ちがくて……えっと…。』

なんて説明したらいいかわからずどもっていると御幸先輩が笑い出した。

「ハハハ。別にいいよ。」

ふぅ。よかった。変な風には思われたない？かな？

……って、御幸先輩も人のこと言えなくない！？私は思い出したことを聞いてみることにした。

『あ、あの、御幸先輩。』

「どした？」

『勘違いだったらいいんですけど、数日前私と美香ちゃんがマネージャーになるためにグラウンドに来た時、御幸先輩も……なんか私のことガン見してませんでしたか……？』

あ、あれ、私聞いてること大丈夫かな。自意識過剰みたいになってないかな！？
どんな返答が来るかわからずヒヤヒヤしてしまう。

「あー、してた。」

『え。』

あっさり認められた……。

『え、えっと、なんでか聞いてもいいですか……？』

「うーん。」

なぜ。なぜに悩む。思い出せないのかな？

『あ、その、言いにくいことだったら━━……』

「可愛かったから！かな！」

『……へ？』

あまりにも予想外な回答に思わず間抜けな返事をしてしまう。……聞き間違いか？

私の疑うような目つきを見た御幸先輩はお腹を抱えながら笑っている。

『からかってます……？』

「そーんなことないよー？本心だけど。」

『意地悪なんですね。』

「そんな、褒めんなよ。」

『褒めてません……。』

結局本当か嘘かわからないまま、家に着いてしまった。

『では、ここが家なので！送っていただきありがとうございました。』

「アパートだけど一人暮らしなのか？」

『そうなんです。』

「じゃあ戸締り忘れないようにな。」

『おかあさん……？』ﾎﾞｿｯ

「えー？なんてー？？」

『なんでもないでーす！明日の試合頑張ってください！』

「おう。また明日な。」

御幸先輩の背中を見送ってから家の中に入った。

中々盛り上がって帰れたかな？？聞きたいことは聞けなかったけど。

明日……。楽しみだな。