私のヒーロー【成宮鳴】 (ページ11)

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意地悪な幼馴染② ページ11

普段見せない表情を見せる鳴くんを心配に思い顔を覗き込んでみた。

『ほんとに……？』

「な、なんでもないから！」

『えぇ……。』

急に鳴くんは話してくれなくなってしまったため、私は今日違和感に感じたことを話すことにした。

『そういえばね、今日マネージャーの件で野球部に行った時、すごいガン見してくる人が居たんだよね……。』

「え！？だれ！？男！！？？」

『うん……。』

「どんな奴！？名前、わかる！？言って！！わかること全部！！！！」

『め、鳴くん…。落ち着いて……。』

「早く早く！！」とすごい形相で急かしてくる鳴くんを落ち着かせてから、私は思い出しながら話した。

『んー…。たしか、眼鏡かけてる人で、背丈が高くて……。』

「うんうん」

『そういえば、練習の時はキャッチャーの格好してたからポジションはキャッチャーなのかな……？』

「うんう…ん……？」

『名前はたしか…み……み、ゆき…？さん？だったかな？？』

「……。」

私の話を聞いていた鳴くんは、先程までの落ち着きのなさは消えてしまい、今度は驚く程に静かになってしまった。

さっきも似たように静かになってたけど、今度は表情が固くなっている。

心配になり声をかけようとした瞬間、かぶせるかのように鳴くんがつぶやいた。

「なんだ。一也のことか。」

『へ？』

あまりにも間抜けな返事をしてしまったので、先程の沈黙がなかったかのように鳴くんは話を進め始めてしまった。