直隷 ページ9
お風呂を終えて、さっさと夕食を済ませた私は、兄さんの所に行った。
貴「…兄さん、入っても………いい？」
弱気にそう言ったものの返事を待たずにすぐに扉を開けた。
ザ「Aか……どうした。」
貴「姫君が交代するって…本当？」
私が知っていたことが意外だったのか、兄さんは目をわずかに開いた。
貴「…本当なんだね。」
ザ「なんでそんな事を知って…」
貴「ただ、私が立ち聞きしただけ。だから誰も悪くないよ。悪いのは…私だから
…。ねぇ、あのノタユウキの方がいいの？どこが？何処が私に足りない？別に、
ノタユウキが気に入らないって(思ってるけど…)思ってる訳じゃなくて、私に
足りないところは何？私はどうしたら皆の役に立てる？」
私はドアの前で立ち止まりながらずっと話しかけた。
一つは兄さんの逃げ場を失わせるため。
もう一つは…泣きだしそうになった時すぐに逃げれるため。
ザ「…。」
兄さんはいつまでも無言だった。
貴「…そっか、ごめん、私部屋に戻るね。おやすみなさい。」
私はそういって部屋を出た。
―――
祐「…Pardon me？」
俺は自室に何故かきたスクアーロに信じられない言葉を聞いた。
祐「……誰が？」
ス「お前が」
祐「…誰の？」
ス「Aの」
祐「………何を？」
ス「いろんな世話を。」
祐「………………分かった。」
最後はあえて聞かなかった。
つまり、こういうことだ。
俺がAの保護者役、あるいは召使い役になるわけだ。
…めんどくせぇ…。
祐「それはザンザスからの直隷…だな？」
ス「あぁ…色々大変だと思うが頑張れぇ…」
そんな憐みな目でみるのはやめてくれ…。こっちが悲しくなる。
祐「とりあえず、明日から適当に接して見る。」
ス「あぁ…」
祐「…で？『アレ』はいつからだ？」
ス「あぁ…そろそろのハズだぁ…。」
祐「そうか…。取り合えず今日は遅いから少し早いが寝させてもらう。」
ス「あぁ…とりあえず明日から頼むぞぉ…悪いな…」
祐「…。スクアーロ、それはAに言ってくれ。」
そういうと部屋にスクアーロがいたのだが気にせず眠りに付いた。
どうせ起こすことはしないだろうと思ったし。
とりあえず寝ることにしよう…
明日からは大変だ…。
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革ベルト
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作者名：シェルロッタ | 作成日時：2012年5月14日 20時
