REBORN ―己の使命。そして存在― (ページ32)

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勝敗ページ32

きっと、自分を重ね合わせてるんだろう。

俺はとっさにそう思った。

ザンザスが―妹を戦闘に出したくないという優しさなのだが―Aに隠し事

をしていることは事実である。

それは、なんとなく、ただなんとなく妹であるAにも伝わったのだろう。

一方、笹川京子も重大なことを妹に秘密にしていたのだから。

貴「あの子はさ…自分だけ仲間はずれって思ってるのかな…？」

どこか、俺達には見えない何かを見透かしている…そんな印象を与える目だった

祐「…そんな訳、ないだろ。笹川了平は妹を巻き込みたくないから秘密にしてい

ただけだろ。……心配をかけたくなくて、な…。」

京「お兄ちゃん止めて!!喧嘩はしないって約束したのに!!」

は？

京「お兄ちゃん!!」

了「あぁ、確かに額を割られた時…もう喧嘩はしないと約束した…」

したのか。

了「だが、こうも言ったハズだ…」

なんだ、まだあんのか。

いい加減、兄妹愛(?)も飽きた。

了「負けんと!!」

ふぁ～…(欠伸

気付けば笹川了平がルッスーリアに向かって行った。

まぁ、ルッスーリアにはメタル・ニーとかいうやつがあるから…

貴「……負ける。」

横でﾎﾟﾂﾘとAが呟いた。

祐「ッ……？」

一瞬、その言葉が俺には理解できなかった。

しかし、そのまさに直後、俺は嫌でも理解した。

了「極限太陽!!」

何かが壊れる音が響いた。

ルッスーリアの短い悲鳴も。

Aは隣で細かく体を震わせていた。

祐「嘘……だろ…？」

今の俺に、相手側が勝つことなど、屈辱でしかなかった。

さらに、隣にいるAが心配でならなかった。

ル「嘘よぉ!!メタル・ニーが砕かれるなんて…!!」

マーモンがAの腕の中(今まで抱えていた。)でポツリとつぶやいた。

マ「勝負あったね。ルッスーリアにはあのパンチを防ぐ術がない。」

その言葉と同時くらいにはリングではルスーリアがなんとか勝とうと足掻いて

いた。

貴「ルッス…!!!逃げて!!」

Aの悲痛の叫びも届かぬまま、ルッスーリアは…撃たれた。

…寸前に俺が目隠しをして正解だったようだ。

チ「たった今、ルッスーリアは戦闘不能とみなされました。よって、晴のリング

争奪戦は笹川了平の勝利です。それでは発表します。明晩の対戦は…雷の守護

者同士の対決です。」

そんな宣告、俺の耳には入ってこなかった。

なぜなら…隣でAが涙をこぼしてリングを見つめているのから、意識が離

せなかったからだ。