シロツメクサ ページ12
私は布を雨が叩くような音で現実に戻った。
気が付けば周りは雨。
しかし自分のいる所だけ、雨が降っていなかった。
上を見ると傘があった。浮いている。
…いや、持っていたのだ。ノタユウキが。
貴「ノタユウキ…。」
本がぬれずに助かったのだが、癖、と言うか条件反射で睨んでしまった。
祐「雨が降ってきた。早く屋敷に入るぞ。」
わかってるよ、そんなこと。小声でﾌﾞﾂﾌﾞﾂ言いながら本を抱えた。
風は少ないのだがあまりにも濡れなさ過ぎていた。
隣に目を向けると、ノタユウキは腕以外のほとんどが濡れていた。
ちゃんと入ればいいじゃん。そう声をかけることはしなかった。
ただ、話したくないから。それだけだった。
玄関に付いて扉を開けてもらう。後ろで傘の水を振り払う音がして、傘立てに傘
を入れる音もした後、頭の上に何かが乗ってきた。
貴「…なにこれ。」
空いている片方の手で頭の上に乗った物を掴む。
それは、花の冠…シロツメクサで作ってあった花の冠だった。
貴「…。ガキ扱いしてんのかごらぁ!!!!!」
そういって回し蹴りをくらわしてやろうと思ったけど、腕で止められてしまった
。
貴「ってか、花の冠作れるとか女々しすぎるから!!!!」
べ「何騒いでんの、」
騒ぎで来たのか、そこにはベルがいた。
貴「あ、ベル。」
祐「俺は部屋に戻る。」
それだけ言ってノタユウキは部屋に戻って行った。
―――
花が好きなら、喜ぶと思ったんだけどなァ…。
祐樹は先ほどの行為を反省していた。
その時、電話が鳴った。
祐「…もしもし。」
？「ちゃおっす。久しぶりだな、儂多。」
祐「あぁ…ってかなんで俺の番号知ってるだ。」
？「アイツに聞いたんだぞ。」
祐「…そうか。」
？「お前、アメリカに留学って話、本当なのか？」
電話越しではわからないおかげでばれていないが、俺の今の顔はきっと引きつっ
ているだろうな。
祐「あぁ…。やっと慣れてきたって所だな。」
？「町とかはどんな感じなんだ？」
痛いところ突くなぁ…。
祐「詳しくなんて言えばいいかわからないけど、まぁ日本とは違うな。」
？「そうか。」
祐「そうそう、近々また日本に行くかもしれない。てか行くから町で会っても不
審に思うなよ。」
？「…なんで来るんだ？」
祐「少し用ありでな…。アイツと恭也にも言っておいてほしい。」
？「分かったぞ。じゃあな。」
祐「あぁ、頼んだ…――――――リボーン。」
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シェルロッタ | 作成日時：2012年5月14日 20時
