あの子の名前

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語部視点

「はい、最初のターゲットは、泉鏡花。太宰よりはマシにするけど、出来るだけ痛みを味合わせる」

今回のターゲットは、何処に住んでいるかも分かるから和希に調べてもらう必要もない

「鏡花は強いから。琴音は怪我しないように気をつけてね」

その通りだ。異能も強くて、身体能力もある。舐めてはいけない相手だと言うことは、分かりきっている

「うん。まあ、最悪死ななければ良いかな」

「んな事言うなって。琴音が死んだら私も困るんだよ」

「はいはい。じゃ、決行日は明後日。コンディション整えておくよ」


探偵社視点

琴音が辞めたり、太宰が死んでから、上手く仕事が回せないようになっていた

太宰が行く予定だった依頼は、賢治に任せているが、問題は琴音がやっていた仕事だ。
依頼については、太宰よりは困っていないが、人一倍資料などをやっていた琴音がいきなり辞め、できていない資料が山積みだ。

「全く…琴音があんな事…」

国木田含め、殆んどの人が元凶の琴音を恨んでいる。でも、谷崎と乱歩だけは違った

乱歩は元々分かっていたからだが、谷崎は琴音に同情していた

琴音がやった事は、ナオミを傷つけた奴に攻撃しようとしていた谷崎と同じだからだ
谷崎は、太宰が殺された事は悲しいと思っている。でも、それ以上に琴音が苦しそうにしていた事が気になっている。あの日、太宰さんの死体を運んできた時、国木田に問い詰められている時、一瞬顔が歪んだのだ

もし、罪悪感を感じていたのなら…

僕が何かに気づいていたなら…

未だに、琴音の事を後悔している

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