アイツなんか大嫌い【矢巾秀】続編

67.again ページ17

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中学1年のとき。
矢巾のことを、好きになってから
ずっとずっと、夢見ていた言葉だった…。



「私も、矢巾が好き」



そう言うと



「マジか…もう…めっちゃ嬉しい…」


そう言って私をぎゅっと抱きしめてくれた。


「はぁ…まさか渡にミスター取られるとは…」

「まだその話？もういいじゃん」


いつもの調子に戻った矢巾に安心した。


「たまにはかっこよく決めたいじゃんか！！！」


…まぁ確かに。
ルックスだけはいいのに、いつもビシッと決まらないのが矢巾だよね。


「俺、最初Aに好きだって言われて調子のってたけど…バレー部で集まったときさ、中川はお前のこと狙うって言うし
お前は俺と付き合ってるって勘違いされたら困るとか言うしさ…だから焦って…」


それで、キスしたの？


「Aの気持ちだけじゃなくて、自分の気持ちにも気付いてなかったんだよ。いつの間にか好きになってたってことに…」

「大丈夫だよ」



見た目はチャラくて、軽い男。
外見は良いくせに、いざって時に決まらない、かっこ悪いところもある。
でも本当は、純粋で一途で、優しい人。



「そういうところも全部、大好きだから」



嫌いだって、思ったこともあったけど…
嫌いになれなかった人。



「…お前のその凄さはどこから来るの」



もう一度、私を抱きしめる腕。



「なんなの。可愛すぎかよ。絶対離してやらないから、後悔すんなよ」



そう言って、今度は優しく。
キスしてくれた。

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