アイツなんか大嫌い【矢巾秀】続編

60.バレー部の展示 ページ10

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渡くんのクラスを後にしてから…
バレー部の展示を見に行った。
先輩たちが引退してから、まだ公式試合はやっていないので
矢巾の映像はほとんど流れないけど…


「やっぱり矢巾、バレーやってるときだけはかっこいいよね」


ぽつりと本音が出る。


「普段もかっこいいだろ！」

「顔だけはね!」


いつもみたいに、ふざけ合えてると思った。


「ホント？」


急に真剣な声になるから…



「え？」

「俺、かっこいい？もっと言って!」



すぐ調子に乗る…。



「あれ、矢巾さん！ちわーっす！」


バレー部の1年生らしき男の子が、そこへやってきた。


「おう、金田一、国見」

「矢巾さん、渡さんの大仏見ました！？」


2人に言われて矢巾はまた吹き出す。


「あれはツボったからやめて…あはははは」


2人はチラチラと私のほうを見た。


(彼女だと思われたり…してるのかなぁ。矢巾は…なんて言うのかなぁ)


些細なことでも、気になってしまう。



----その後の金田一・国見----



「矢巾さんの彼女かな。可愛かったな」

「まぁな。矢巾さん顔は良いし、可愛い彼女くらいいるんじゃない」

「まぁそうなんだけど…中身がなぁ…」

「金田一は矢巾さんに投票すんの。ミスター」

「…しない…」

「…まぁ俺もしないけど」




----その頃の京谷----



「焼きそば作ってきたから持ってきた。やる」

「え…京谷？いいの？」

「お前ずっとその格好で教室いなきゃいけねーんだろ？」



京谷は、大仏の渡に焼きそばの差し入れをしに来ていた。



「大変だな。腹減ってるだろ。食え」

「サンキュー！でも結構楽しいよ！皆喜んでくれるし！」

「お前本当お人好しだな。つーか、いい奴だな」



6組の男子達は驚いていた。



「あいつ、怖そうなのに優しいな…」

「いやぁ…あれは渡の人望だろ」

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