アイツなんか大嫌い【矢巾秀】続編

56.恋未満 ページ6

.


矢巾side


気持ちが、持っていかれているのが分かる。
他の男と、付き合って欲しくないとか
他の男が、あいつを可愛いって言うのが複雑だとか。
そんな気持ちだけでも、これは恋だと言えるんだろうか。



無理やりキスしちゃって…
今度は俺が叩かれて、大嫌いなんて言われたけど。
あんなことがあったのに、何事もなかったみたいに普通に接してくれる…。
どんだけ、懐が深い奴なんだ。
いい奴だって事は、知ってる。
でも今はまだ…京谷みたいに、Aに近づくな！とか
かっこいいこと、言えない…。



「瞳ちゃん、彼氏と学祭回りたいってメイド断られちゃった…
で、私がやらなきゃいけなくなって。あんまり他のクラスの見れないかも」



委員会で、Aがそう言った。



「何だよ、寂しい女だな〜俺がお前のクラスに遊びに行ってやるよ♪」



からかい気味に、そう言ったけど。


(メイド姿も見たいけどそうだな、一緒に回るってのも良かったよなぁ…)



----------------


矢巾。矢巾！矢巾ってば！！！


「うわ！何だよ!！」

「矢巾…最近バレーのことちゃんと考えてる？怠けてると俺もそろそろ怒るよ？？」



笑顔で渡が背後に立っていた。



「あ、バレー部の出し物…試合の写真と映像の展示でいいだろ？俺朝一でクラスの出し物の方のお化け役があるから、渡映像のDVDセットしといてくれねえ？」

「ごめん。実は俺もクラスの出し物で一日動けなくなっちゃったんだ。金田一か国見に頼んでもらえるかな」

「お、おう、わかった」



最近、渡が厳しい…つーか、俺よりキャプテンっぽいわ。

57.青葉城西高校・学園祭→←55.クラスの出し物

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す