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第十四話 ページ16

生まれた頃から痛覚と味覚がなかった



それが当たり前だと思ってたし



特に辛いと感じたことはなかった



両親はそんな私を気持ち悪がった



そんな気色の悪い私が生まれたせいで



両親の仲はどんどん悪くなっていった



私はその頃小さかったっていうのもあるけど



口を開けば両親に色々と言われていたから



あまり喋ることがなかったし、好きじゃなかった



今も話すのが得意じゃないのは



この所為なのかなって、今は思う



ある日、両親がいつもの喧嘩を始めだしたから



家を出たの



そして日が落ちきったから流石にもう喧嘩は治ってる



そう思って家に帰ったの



家の戸を開ける前に変な異臭と音がして



変だと思って勢いよく戸を開けた



そしたら、目の前に何があったと思う?



四肢の千切れた母の姿に上半身だけの父



部屋中真っ赤で血生臭かった



きっと気が動転して気づかなかったのね



そこにはまだ鬼が残ってて、私に襲い掛かってきた



当時まだ四、五歳だったから、簡単に押し倒された



でも、痛覚なんてなかったから



ただただ苦しいだけだった



私も死ぬんだなって、そのときは思った



少し、期待してたかもね



この体質のせいで周りの子供や大人たちには気味悪がられて



両親にすら嫌われて



生きる価値なんて見出せなかったから



楽になれるのかなって、考えてたら



今はもう亡くなってしまったけど



元花柱の胡蝶カナエが助けてくれたの



姉さんには感謝してる



おかげで今は楽しく生きられてるし



みんなにも会えた



姉さんは私に身寄りがないことを察して



蝶屋敷に招待してくれた



これが、私がここに住むようになった理由。

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翡翠 - 続き楽しみにしてます!これからも無理しない程度に更新頑張って下さい! (2020年4月21日 20時) (レス) id: 040119bf1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゅばぼん | 作成日時:2020年4月19日 17時

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