痛覚味覚ない系女子の御話

第十二話 ページ14

「うおぉぉぉぉぉぉ！！！」



稽古場にひょこっと顔を覗かせると



カナヲと反射訓練を行っている炭治郎さんを発見



寝不足なはずなのに、頑張ってるなぁ



すごいよね、あんなに動けるなんて



努力の塊だ



善逸さんはずっと笑顔だ…



伊之助さんは、なんか凄い頑張ってる



誰かと競い合ってるみたいな感じかな？



「へぶっ」



あ、炭治郎さん薬湯かけられちゃった



臭そうだなぁ



びしょ濡れになってるし…



カナヲは同期に容赦ないんだね



この三人にはもう、私は必要なさそうだな



しばらく暇だなぁ



自室に戻りますか









自室に戻る途中、禰豆子さんの部屋が目に入った



まだお昼だし、誰の姿もないから



きっと箱の中にいる



そっと箱に近づいて、静かに横に座り込む



「初めまして、禰豆子さん。

お兄さんとは話してるけど、あなたと話すのは初めてですね。

私、ここで働いてる白瀬Aです。よろしくね。

今炭治郎さんは稽古場で善逸さんや伊之助さんと訓練してますよ。

禰豆子さんはいいお兄さんをお持ちですね。羨ましいです。

炭治郎さんはあなたのことを愛しているし、あなたも彼のことを愛している。

相思相愛ですね。…って何話してるんでしょうね、私。

せっかくのお昼寝中失礼しました。またいつかお話ししましょうね。」



端から見れば箱に話しかけている可笑しな人



ただの独り言だったけど



少し口を開いたら暫く止まらなかった



でも、ちょっと心が楽になった…？



明日の夜、あまり話さないようにしなくちゃ



炭治郎さんに迷惑かけちゃうよね

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