痛覚味覚ない系女子の御話 (ページ12)

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第十話ページ12

なんだか、今日は眠れないなぁ

夜風に当たりに縁側行くか

善逸さんと話したことが原因かな

まだ引きずってるのかよって感じだよね

人の心の怪我を治すのが私の役目なのに

自分の怪我も治せないなんて、ほんとに医師失格だよね

カナエ姉さん、どうしてあの時私を助けてくれたの

助けてくれたことは感謝してる、感謝しきれないくらい

でも、やっぱりあの時、私も死ねばよかったんじゃないかって

思っちゃう時もあるの

カナエ姉さんに会わせる顔ないなぁ

しのぶ姉さんにだって会わせる顔はない

なんで私を医師にしたの？

痛覚と味覚がない分、目と耳と鼻がいいからって

人の心の痛みはよく理解できるはずだって

そう言ってくれたよね

でも、わかりすぎて、どうすればいいのかわからない

どの発言をしても相手が傷つくことを必ず想像してしまう

最善の言葉を選べない

私の放った言葉のせいで嫌な思いをさせてしまったんだって思ったら

もう居た堪れない気持ちでいっぱいなの

心が押しつぶされそうになるの

誰かに相談したいなって思ったことだってあった

でも、自分の弱みを見せちゃいけないってそう思うの

私よりも辛い思いしてる人に私のちっぽけな悩みなんて話せない

相談したところで、私の現状が変わるなんてことないんだから

心の医師だから、立場上相談しづらいんだ

あぁ、誰か聞いてくれないかな

なんて。