我ら天使に好かれ隊！3【SVT】 (ページ43)

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＊陰口ページ43

SC said

「男に色目使いすぎよねAさん、見ててほんと気分悪いわ」

「表ではすました顔してるけど裏では媚び売ってるなんて…」

撮影場に忘れ物をしたので取りに行くと、何やらゴソゴソ後片付けをしているであろう2人の新人ヘアメイクさん達がAの悪口を言ってるのを丁度聞いてしまった

慌てて見えない所に隠れたから、
きっとバレてはないけど…

「大体14人で住んでる時点でおかしいわ」

「どうしてあの子を入れたのかしら…」

「それも社長のコネなんでしょ？」

ヒートアップするAへの悪口に沸々と怒りを覚えるも、何もできなくて悔しい

忘れ物はまた後でにして引き返そうと思ったその時

　

『誰が社長のコネ何ですか』

ヘアメイクさん達のいる少し後ろで、普段あまり怒らないAが今は怒りに震えていた

俺がさっき止めておけば、Aの耳に入ることはなかったはず
何やってんだよ俺、情けない…

『陰で盛り上がっておきながら私が来ると下向いて黙るくらいなら言わないでもらえます？そもそも13人目当てで入ったあなた方に色目使ってるだの媚び売ってるだの言われる筋合いありませんし、私のメイク道具盗もうとするなんて…終わってますね人として』

「っ…、」

Aの圧と放たれたド正論によって、悔しそうな顔をして去って行ったヘアメイクさん達

Aがここに来たのはきっと自分のメイク道具を置いてきてしまったからだろう、
テーブルに散らばるリップやシャドウをポーチの中に入れ直す姿が見える

　

『…はぁ、気分悪』

　

もしそこに俺達がいたらAはきっと"大丈夫"って言って心配する俺達を心配するだろう

けど今は誰もいなかった、
だからAの本音を聞けた気がする

Aの思ってる本当の気持ちを

　
『…何も知らないくせに、』

　
あぁ、あの時止めに行けなかった自分が憎くてしょうがない