【文スト腐】旧双黒カップルがE組に行く話 (ページ40)

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尾崎は中也をソファーに座らせ暖かいココアを淹れると中也はそれをゆっくり飲むとホッと息を吐いた。

尾崎「落ち着いたかえ？」

中也「うん...」

中也は小さく頷きまたココアを飲んだ。

中也「姐さん。私の話、聞いてくれる？」

尾崎「勿論じゃ。」

尾崎はココアに目線を向けたまま中也の発した言葉に優しく頷いた。

中也「私、治と結婚出来て嬉しかった。結婚式も姐さん達に祝福してもらった時は幸せだって思えた。それに...」

尾崎「どうした？」

中也「...子供、欲しかった。治との子供、欲しいって思ってた。だからあの時、治に子供欲しいかって聞かれた時は、本当はうんって云いたかった。だけど、私はマフィアだから、治も元マフィアで...そんな親から生まれた子供が、幸せになれると思う？」

尾崎「中也...」

中也「武装探偵社に入る為に治はポートマフィアだった時の経歴を消した。さっきも治が、首領に私をポートマフィアから離脱させて欲しいってお願いして、離脱したら私の経歴も消すって云ってた。」

尾崎「太宰も大胆な行動に出たものじゃな。」

中也「でも、過去は簡単に消せない。だって、過去は何時までも自分の心の中に残るから。忘れたくても、忘れても、それは永遠に消えない。何処かでふと思い出しちゃうから...」

尾崎「...そうじゃのう。私も、忘れたくても忘れられぬ過去がある。」

中也「だから例えポートマフィアを抜けたとしても、経歴を消したとしても、人を沢山殺した事に変わりない私に、子供を持つ資格なんてない...」

中也の目からポツポツと涙が落ちていき、その涙は中也の手や服を濡らしていった。

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【首領執務室】

太宰「足、動く...」

太宰はようやく動ける足を使いすぐに中也を追おうとした。

森「待ちなさい太宰君。」

太宰「...何故止めるんですか？」

森「君は中也君の気持ちが判ったのかね？」

太宰「...中也は子供が欲しかった。でも中也は私が抜けてからもポートマフィアとして沢山の人間を殺してきた。その相手が敵の組織達でも、人殺しに変わりはない。中也はそんな自分自身に子供を持つ資格はないと、1人苦しんでいた。」

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