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河原で2人___ ページ25

私は車が河原に着くと中也と共に降りた。

太宰「君は帰って良いよ。」

部下「は、はい!」

部下はすぐにその場から去り、私はまだ意識の戻らない中也を見ては悲しげな笑みを浮かべた。

太宰「約束守れなくてごめんね。」

私は川と足を進めた。

太宰「私は結局中也を縛り付ける原因を作ってしまった。」

途中、中也の帽子や外套を近くにあった岩へと乗せると再び川へ足を進めた。

太宰「中也が《汚濁》を使ったのは私の責任だ。」

私があの場で中也に群がる奴等だけでも始末していれば、中也は《汚濁》を使わずに済んでいた。

そして私は川へと入った。

川は歩く度どんどん深くなっていき、私の胸元までの深さに来る頃は中也の身体が殆ど川の中へ入っていた。

太宰「中也を守れなかった私に生きる資格はないよ。まあ、中也を巻き込む資格も当然ないのだけどね。」

でも矢っ張り1人で死ぬのは寂しいのだよ。

だから...

太宰「だから私と一緒に心中しようじゃないか。」

私は目を閉じ、そのまま川へ身を預けた。



?「俺はまだ死にたくねえぞ。」

太宰「!!」

私はその言葉にすぐに足を踏み留まらせると不機嫌そうな中也の顔に目を向けた。

中也「たく、何勝手に人を心中に巻き込んでんだよ。」

太宰「ごめん....」

中也「謝罪は良いからさっさと戻れ。」

太宰「うん。」

私はすぐに引き返すと川から出て中也を降ろした。

中也「ハァ、これ帰ったら直行で風呂行きだな。」

太宰「....何時から起きてたの?」

中也「手前が川に入った時からだ。川の冷たさで目が覚めたんだよ。」

中也は岩の上に置いた帽子を被り外套を手に取りながらそう答えた。

太宰「...本当に、ごめん...」

中也「...まあ、俺も勝手に《汚濁》を使ったのは悪いと思ってる。だから自分ばっか責めてんじゃねえよ。」

太宰「....うん。」

中也「よし、なら帰るぞ。このままだと風邪引くしな。」

太宰「うん、そうだね。」

そして中也が先に歩き始め、私もその後に続いて歩き出した。

無言が続く中を歩いていると、

中也「メイド服。」

太宰「は?」

中也から出た言葉に思わず気の抜けた声が出た。

中也「期末テストで100点取れなかったら着ろって手前が云っただろ。テストを受けなかった時点で0点と同じだ。」

太宰「中也...君そんなにメイド服着たかったのかい?」

中也「ばっ...ちげぇよ!俺は腹括っただけだっての!」

太宰「本当かな〜?」

中也「本当だっての!良いから早く帰るぞ!」

後日___→←・


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芥敦


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作者名:迷ヰ猫 | 作成日時:2019年9月29日 19時

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