男主が好きなんです。 (ページ9)

今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:16,007 hit

_2 ページ9

真選組は江戸の治安を守る武装警察だ。
だから、僕達は危険と隣り合わせなことが多い。

そして、今日は命がけという言葉がぴったりのお仕事。
討ち入りだ。

「よし、お前ら一番隊は攘夷志士どもが逃げないように裏口に回っておけ。二番隊と三番隊は俺と山南について来い。」

今回の攘夷志士達はかなり危険で、凶悪らしく、緊張感のある空気が流れる中で副長が指示を出す。

沖田隊長が率いる一番隊は裏口を塞ぎ、二番隊、三番隊は副長と山南さんと正面から突入するという動きらしい。

『久々の討ち入りだな～…』

「気ぃ抜くなよ。」

『任せろ。お前より強いから。』

指示を出された通り二番隊、三番隊は攘夷志士のアジトの前までバレることなく来ることができた。

だが、想定していたより攘夷志士の数が多い。
これは正面突破は厳しそうだ…。

副長もそう思ったらしく、僕達へ指示を出す。

「……正面からはやめて、裏口から突入しよう…『お前らついてくんなよ？』

「「「「？」」」」

山南さんが副長の言葉を遮って何か言うと、攘夷志士のアジトの扉に向かって走り出すと

一人でアジトの中に入って行った。

………え！？一人でアジトの中に入って行った！？

「「「山南さんッ！」」」

こんなに大量の攘夷志士の中に一人で突っ込んで行くなんて危険過ぎる！
他の隊士たちも同じく思ったようで、山南さんの名を叫ぶ。

『御用改めである～お前ら全員、逮捕しちゃうぞ～』

いかにも棒読みというような声がアジト内に響きわたる。

「あ”！？なんだてめェ」「…ボス！コイツ、真選組の総長です！」
「総長…？ハッ、一人で来るとは随分と舐められたもんだなッやれ！お前ら！！」

ど、どうしよう！山南さんがッ！

「ふ、副長！僕達も山南さんに続いて…「いや、お前らはここで待機してろ」

焦りながら副長にどうすれば良いかを尋ねると”待機”という指示が下された。

「どういうことですかッ！？山南さん一人じゃ流石にムリですよ！」

「誰が山南一人だと言った？」

「え？」

『土方ァ、早く来いよ！使えねェなァ！』

「…ハァ…こういうことだ。お前らはここから動くなよ」

とだけ言葉を残して、副長は山南さんの元へ走る。
でも、副長が応戦してもこちらが不利なことに変わりはないはず…。

……と思っていたのも束の間、一気に攘夷志士が10人程吹き飛んで来た。

「は…！？何が起こって…『オイオイ！こんなもんかァ！？』

「おい、山南！油断するな」