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「ひ、久しぶり…!少し、痩せた?////」
『……君も、なんか縮んだね…』
「んなっ!!////」
透明な壁の向こうに
少し窶れた顔の佐藤くんがいる。
『……転校生くん、刑事だったんだってね…』
「あ、うん。」
『潜入捜査、だっけ?……信じるなんて言った割に、自分が周りを騙してたわけか……』
「ちがっ、そんなつもりじゃ…!」
いきなり確信をつかれてギクリ……
いかんいかん…平常心、平常心。
「ん”、ん”んっ。
……面会…受けてくれて、ありがとう。嬉しかった…////」
『………』
佐藤くんは、ただ黙ってこちらを見ていた。
それがなんだか恥ずかしくて、少し胸が苦しくて…
でも、そんな沈黙が続いた数分後、
「佐藤くん…あの…」
『俺さぁ……優等生になるために頑張ったよ……』
「……」
佐藤くんはゆっくりと話始めた。
『…誰も信じてくれなくても…何のために頑張ってるのかわからなくても……怖い現実から逃げる為…落ちこぼれにならない為に……』
「うん…」
『この一週間……そんな自分を…よく頑張ったな……なんて自分自身で褒めてやったりしてた……でも…』
佐藤くんの目から涙がポロポロ零れ落ちるのを見て、
自然と自分の目頭が熱くなるのを感じた。
泣いちゃダメだ。俺が。
『…全然楽にならないんだ……心が……グスッ……』
「…佐藤くん……」
『傷付けた先生たちの顔が浮かんで……!俺を責めてる……!かき消そうともがけば、学校での辛い日々を思い出す…!!…辛いと叫んでも誰も俺の言うことを信じてくれない…!!俺の今までを無かったことにしやがる…!!!!
っ、俺は…どうすればいいの……』
「っ……」
俺は、馬鹿だ。
信じることだけで何が出来るんだ。
俺には佐藤くんの苦しみがわからない。
結局、何一つ佐藤くんの力になれない、大人の一人じゃないか……
俺はあまりにも無力だ……
でも、でもね……?
「佐藤くん……佐藤くんは、よく頑張ったよ…逃げずに頑張って…一生懸命踏ん張った……
でも、今回は頑張りすぎて…少し空回りしちゃったね……
頑張り屋で、真面目な佐藤くんだから…一回の失敗がずっと心に引っかかって、そこから抜け出せないでいるんだ…
……佐藤くんが犯した罪は決してなくならない……
でも…佐藤くんが今まで頑張ってきたという事実も、絶対になくならないと、俺は思うよ…?」
やっぱり俺には、”信じる”ことしかできないから…
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Hey!Say! JUMP(プロフ) - 続きが楽しみです! (2021年5月20日 18時) (レス) id: 8de6064f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田マンボウ | 作成日時:2020年7月10日 18時