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狐の子が、不思議な人間を連れてきた。
「この子が、綺麗な瞳で僕を見つめるものだから…思わず着いてきてしまいました笑……ご迷惑でしたか?」
『迷惑では…ない……////』
人間がここへやって来るのは何年ぶりだろう。
信仰されなくなって、人間が来なくなって、ここはとても寂しい場所になってしまった。
人間を恨んだことはない。
ただ…ただもっと人間に触れたいと、関わりと、
そう願っていた。
その願いを、この狐の子が叶えてくれたのか……
『神様…』
『…?』
『俺…人間は嫌いです……でも…この人から桜の匂いがして…この人は、他の人間とは違うんじゃないかって……』
確かに、目の前に立つ青年は変わっている。
誰も触れようとしなかった祠の汚れを勝手に掃除しだしては、僕らの存在に驚きもしない。
会話まで出来てしまうのだから、普通の人間ではない。
僕は、ワクワクして仕方がなかった。
『いいんだよ、狐の子。人間を連れてきてくれてありがとう。
人の子よ、名前は?』
「!…僕は、中島·裕翔と申します。神様、あなたの名前は?」
神様に名前を聞くなんて、なんておかしな人間なのだろうと。
ーーーーーーーー
その日を境に”裕翔”と名乗る青年は毎日のようにここへ来るようになった。
神社の掃除をしたり、僕らの話相手になったり、たまに甘いお茶菓子というものを持ってきてくれたりもした。
そして何より、
「”侑李”、”涼介”はどこへ行ったんだい?」
僕たちに”名前”を付けてくれた。
それが、何よりも嬉しかった。
きっとそれは狐の子、涼介も同じ。
『さぁ?きっとまた君への贈り物を選びに行っているんじゃないかな。』
『裕翔!』
「お、涼介。どこへ行っていたの?」
『へへ、じゃーん!紅葉!いっぱい拾ったんだ!裕翔にあげる!』
「わぁ!すごいな涼介!ありがとう、綺麗だよ////」
出会った頃以上に、益々笑顔が増えた涼介を見ているうちに
こんな幸せな毎日がずっと続けばいいなんて、
人間のような考えを持つようになっていた。
幸せなんてすぐ消えてなくなってしまうものなのに。
ーーーーーーーー
「余所者を追い出せ!」
「陰陽師だかなんだか知らんが嘘つきな余所者は殺·せ!」
「この神社には、もう神様もおらん!取り壊せ!」
綺麗になったばかりの神社にたくさんの矢が突き刺さる。
僕は初めて、人間を怨んだ。
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くるすけ - 更新待ってます!すごく面白くてお気に入りです! (2019年8月9日 15時) (レス) id: 8dac6d8dcd (このIDを非表示/違反報告)
涼介 - もう一回風邪で弱ってる山田くんがみたいです!!看病するのはベストの誰かで!よろしくお願いします (2017年2月16日 0時) (レス) id: 6fa2c940cb (このIDを非表示/違反報告)
山田マンボウ(プロフ) - R.Y kanoさん» 了解です!少し遅くなると思いますが気長に待って頂けるとありがたいです(´‘▽‘`) (2017年1月8日 10時) (レス) id: dbfe6d342f (このIDを非表示/違反報告)
R.Y kano(プロフ) - 山田くんが誰と出かけるかをJUMPで言い争っていて最後は薮くん落ちというのを見たいです!! (2017年1月7日 23時) (レス) id: a5bce0f0db (このIDを非表示/違反報告)
山田マンボウ(プロフ) - すずすけさん» 了解です!ありがとうございます(´‘▽‘`) (2017年1月7日 1時) (レス) id: dbfe6d342f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田マンボウ | 作成日時:2016年11月11日 17時