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ページ39

狐の子が、不思議な人間を連れてきた。


「この子が、綺麗な瞳で僕を見つめるものだから…思わず着いてきてしまいました笑……ご迷惑でしたか?」

『迷惑では…ない……////』


人間がここへやって来るのは何年ぶりだろう。

信仰されなくなって、人間が来なくなって、ここはとても寂しい場所になってしまった。

人間を恨んだことはない。

ただ…ただもっと人間に触れたいと、関わりと、

そう願っていた。


その願いを、この狐の子が叶えてくれたのか……


『神様…』

『…?』

『俺…人間は嫌いです……でも…この人から桜の匂いがして…この人は、他の人間とは違うんじゃないかって……』



確かに、目の前に立つ青年は変わっている。

誰も触れようとしなかった祠の汚れを勝手に掃除しだしては、僕らの存在に驚きもしない。

会話まで出来てしまうのだから、普通の人間ではない。


僕は、ワクワクして仕方がなかった。



『いいんだよ、狐の子。人間を連れてきてくれてありがとう。

人の子よ、名前は?』

「!…僕は、中島·裕翔と申します。神様、あなたの名前は?」



神様に名前を聞くなんて、なんておかしな人間なのだろうと。



ーーーーーーーー


その日を境に”裕翔”と名乗る青年は毎日のようにここへ来るようになった。

神社の掃除をしたり、僕らの話相手になったり、たまに甘いお茶菓子というものを持ってきてくれたりもした。

そして何より、


「”侑李”、”涼介”はどこへ行ったんだい?」


僕たちに”名前”を付けてくれた。

それが、何よりも嬉しかった。

きっとそれは狐の子、涼介も同じ。


『さぁ?きっとまた君への贈り物を選びに行っているんじゃないかな。』


『裕翔!』

「お、涼介。どこへ行っていたの?」

『へへ、じゃーん!紅葉!いっぱい拾ったんだ!裕翔にあげる!』

「わぁ!すごいな涼介!ありがとう、綺麗だよ////」


出会った頃以上に、益々笑顔が増えた涼介を見ているうちに

こんな幸せな毎日がずっと続けばいいなんて、

人間のような考えを持つようになっていた。





幸せなんてすぐ消えてなくなってしまうものなのに。



ーーーーーーーー

「余所者を追い出せ!」

「陰陽師だかなんだか知らんが嘘つきな余所者は殺·せ!」

「この神社には、もう神様もおらん!取り壊せ!」



綺麗になったばかりの神社にたくさんの矢が突き刺さる。

僕は初めて、人間を怨んだ。

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くるすけ - 更新待ってます!すごく面白くてお気に入りです! (2019年8月9日 15時) (レス) id: 8dac6d8dcd (このIDを非表示/違反報告)
涼介 - もう一回風邪で弱ってる山田くんがみたいです!!看病するのはベストの誰かで!よろしくお願いします (2017年2月16日 0時) (レス) id: 6fa2c940cb (このIDを非表示/違反報告)
山田マンボウ(プロフ) - R.Y kanoさん» 了解です!少し遅くなると思いますが気長に待って頂けるとありがたいです(´‘▽‘`) (2017年1月8日 10時) (レス) id: dbfe6d342f (このIDを非表示/違反報告)
R.Y kano(プロフ) - 山田くんが誰と出かけるかをJUMPで言い争っていて最後は薮くん落ちというのを見たいです!! (2017年1月7日 23時) (レス) id: a5bce0f0db (このIDを非表示/違反報告)
山田マンボウ(プロフ) - すずすけさん» 了解です!ありがとうございます(´‘▽‘`) (2017年1月7日 1時) (レス) id: dbfe6d342f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田マンボウ | 作成日時:2016年11月11日 17時

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