赤い仔犬を捕まえて３

▽ ページ17

山田side




「山ちゃん…」






！？






「…あ、えと…これは、その…わりぃ…なんでもない…！どうぞ！どうぞ向こうへ行ってください！！」






え、なに？なにやってんの！？


今俺は、何をした…！？




圭人の服の裾持って


上目遣いで


たぶんきっと涙目で(視界が歪んでた)







"いかないで…"


って…








なにこれえええええ！！！！！！


キモいキモいキモい！！！！




うわまじでキツい…！！

圭人も全然こっち見ようとしねーし…


大声出したせいで頭痛てぇし…







最悪…





圭人…キモいって思ったかな…

ウザがられた…？


どうしよ…









「山ちゃん…」





「へ？」





顔を上げた瞬間、目の前が真っ暗になった。




あれ？


俺今、抱きしめられてる…？






「…けー…」

「…あんまり可愛いこと言わないでよ…山ちゃんのバカ…」






さっきよりも強く抱きしめられて、圭人の香りを鼻いっぱいに吸い込む。









ああ、いい香り…


落ち着く…









「…けーと…すき…」









圭人の暖かさに包まれて、自然に気持ちが口から零れて、



ああ、幸せだなぁって思った。







たぶん熱だから。


風邪引いてるからだようん。







「俺もだよ…山ちゃん」









こんなにドキドキするのは、






きっと風邪のせい。





でも、







圭人が好きって気持ちは否定しない。


だって案外俺、圭人のこと大好きだもん。





誰にも内緒だけど。









「さて、と。氷枕は置いといて。」

「？けーと？」

「えっちしようか山ちゃん♪」

「は？」

「山ちゃんは長いキスから始まるのが大好きなんだよね〜♡」

「何言ってんの？お前。俺、病人だよ？」

「うん。知ってるよ。」

「病人に何しようとしてんの？バカなの？」

「え〜？だって、山ちゃんだってその気でしょ？」

「ふぁっ…あっ…んっ…////ちょ、バカ！！//うつったらどうすんだよゴリラ！！」

「いいじゃ〜ん、恋人同士なんだから♡」

「そういう問題じゃないんですよこの野郎。」




「ね？だから、








山ちゃんの熱、俺にちょーだい？」









もうダメ。ゲームオーバー。(俺の理性)






熱くさせてよ 終

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