赤い仔犬を捕まえて３

世界一可愛くない俺の恋人(ありやま) ページ1

有岡side





普通…普通さ？




彼女との初めての遊園地デートといったらさぁ




『大ちゃん！ほら早く早く♪』


『わぁ♡ハートの観覧車だ〜！乗りた〜い♡』


『ジェットコースター…怖いけど、大ちゃんとなら…大丈夫、かも////』


『これ美味しいね♡はいっ、大ちゃんも、あーん♡』





みたいな彼女の姿を期待するでしょう。





しますよそりゃ、男子ですもん。





なのに、なのにさぁ…


俺の彼女の山田さんといったら…





「おっせぇよバカ。ほら早く行くぞ」


「あ？ジェットコースター？却下。ついでに観覧車も断固拒否だから。」


「そんなことよりあれ食おうぜ！！」


「次コーヒーカップ」


「うお！くまさんカステラ美味そう！！大ちゃん買って！！」


「ゴーカートやろうぜ！！どっちが勝つか勝負な！！」


「ん！！これうめぇ！！」


「ソフトクリームうんまぁ！！」







…って…可愛くねぇ！！！！


全然可愛くない！！なにこれ！！




てか後半食ってばっかだし！！！！



こうなったら意地でも可愛い山田涼介を引き出してやる！！






・

「なぁ、山田。お化け屋敷入らない？」

「は？嫌に決まってんじゃ…ってうわ！？」




俺は山田の返答なんて聞かず無理矢理白くて柔らかい手を引っ張った。




怒っちゃうかな、ビビって泣いちゃうかな


まぁどんな山田もすっげぇ可愛いだろうな





なんてことを考えながらお化け屋敷へと向かっているといきなり



クイッと裾を掴まれた。





ちょっと待ってくれ。






いきなり可愛いことしすぎじゃない！？



やばい、これはにやける…///



だめだだめだ！男、有岡大貴！


平常心、平常心。





「山田？どうした？」



なんて優しく問いかけると







バチンッ





「！？」






いきなり頬を叩かれた。






「行きたくないって言ってんだろバカが。俺帰るぞ。」



「ゴメンナサイ…」







ああ、ダメだ…





全然可愛くない…

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