寂しい、だからこそ決意する。 ページ5
其れから暫く、と言っても一週間程だが……それ位の時が経ち、気が付くと本丸に居る刀剣は可也数が減った。
闇堕ちし、自ら折れる者。審神者に命令され、出陣先で折れる者。手入れも禄にされずに限界が来て折ってくれ、と懇願する者。
様々だったが結局残骸を集めたり懇願者を折ったのは鶴丸だった。
もう、分からなかった。
徐々に失われていく自身の記憶、其れと同時に仲間達も失われていく。
残ったのは鶴丸と鶯丸と鳴狐のみ。
鳴狐は色々な情報を教えてくれた。否、鶴丸の記憶を取り戻そうとした。
然し、鳴狐も又、限界が迫っていた。
「鶴丸殿!…鶯丸殿!…お願いが御座います、少し宜しいですかな？」
お供の声が、優しく響く。
「ん？何だ、構わんぞ？」
にこり、と笑ってみせるが、如何しても頬が引き攣ってしまう。
鶯丸は唯ぼんやりと其れを眺めていた。
「もう分かって居られるかとは思いますが……どうか、私共の生を終わらせて頂きたく…」
「…………………折って。」
「…あぁ、任せてくれ。今迄有難う、世話になったな…」
「いえいえ、此方こそ!……お二人をあの御方の所へ置き去りにしてしまう事をお許し下さい……私共ももう限界で……」
「………御免ね」
「良いんだ、気にするな。君達はよくやってくれた。…楽になれます様に」
そう言うと鶴丸は鳴狐の本体に手を掛け……折った。
「……有難う…」
「…………どう致しまして」
如何してもこの感覚には慣れない。頼まれた事をしただけなのに、涙が止まらない。
「すまないな、何時も………お前に任せてしまって」
「…いや、気にしなくていいさ。君には……思い出したくない事が有るだろう」
「鶴丸も、そうだろう……無理はしないでくれ。お前まで居なくなったら俺は…!」
必死に訴えかける鶯丸。
「嗚呼、分かってるさ」
笑いかけてみれば安心した様に微笑む鶯丸に鶴丸は内心心が痛む。
知っている、
分かっている、彼も辛く、己と同じ様に沢山の仲間の死を見てきた事。
これ以上、耐えれそうに無い事。
だから、決意した。
「俺は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。」
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燭台通吉光(プロフ) - 雪姫さん» コメント有難う御座います。そう言って頂けると幸いです(・∀・´+)これからも精進していきますので宜しくお願いします〜 (2017年10月14日 17時) (
レス) id: 2191eacc30 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - 感動して涙が止まりません…こんな素晴らしい作品を作って下さり、本当にありがとうございます…(泣) (2017年10月10日 21時) (レス) id: a876b58627 (このIDを非表示/違反報告)
燭台通吉光(プロフ) - 小乱れさん» コメント有難う御座います。未だ未だ拙い文才ではありますがそう言って頂き嬉しいです。これからも精進致しますね、(*´ｰ`*) (2017年9月19日 16時) (レス) id: 2191eacc30 (このIDを非表示/違反報告)
小乱れ(プロフ) - 初コメです。とても、感動しました (2017年9月18日 16時) (レス) id: ec523025a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燭台通吉光 | 作成日時：2017年5月24日 1時
