【Fischer's】シルクロードとミルキーウェイ＿＿＿secondary

一緒に動画でも ページ2

「ミルキー」
　キッチンでホットミルクを作ってると、シルクが声を掛けてきた。何やらパソコンを持ってる。

　結婚しても、『ミルキー』って呼ばれんのは変わんない。名字は同じハズなのに、やっぱ定着したもんは変わんねぇのな。

「何だ？」
「これ」
　シルクがパソコンの画面を見せてきた。画面一杯に動画が表示されてる。

　あー、セカンダリね？最近で言うと結婚式の動画もあんな。お、これって高校のときの動画じゃん。結局公開せずにしまったまんまのヤツ。


「何？セカンダリ？」
「いろんな動画あるぜ」
　シルクがめっちゃニコニコしながら言ってくる。

　これは一緒に見るコースだよな。これから部屋の掃除しようと思ってたのに。ほら、あれだ。もはや物置になってるあの部屋。マジ怖いけど、霊感のあるシルクを入れる訳にもいかんし。


「一緒に見ようぜ」
　はいドンピシャ。やっぱそうかよ。

「これから部屋の掃除なんだけど」
「あの部屋は良いよ。それよりコレ見るぞ」
　あー、これ絶対一緒に見ないといけないヤツだ。断るとちょっと拗ねる。

　シルク、結婚してから甘えてくることが増えたんだよな。なんでだろ。


「あー……。じゃあ見るわ」
「よっしゃ」
　シルクが満面の笑みで喜ぶ。あー、うん。やっぱ一緒に見るって言って良かったかも。

　シルクの笑顔は、本当に好きだ。私は昔から、この男の笑顔にめっぽう弱い。まぁ、それは好きになってからなんだけどな。


「どれから見る？」
　床に腰を下ろすと、そう尋ねてきた。シルクは私にピッタリくっ付いて座ってくる。

「まぁ、何でも」
「じゃあこれな」
　シルクが示したのは、高三のときの動画。……これ何したときの動画だっけな。

　パッと画面に動画が表示される。


「懐かしいな」
「そうだな」
　シルクの言葉に私は同意する。本当に懐かしいなぁ。

　まぁ、今日ぐらいダラダラしても良いか。



　折角だし、楽しんで動画鑑賞しようか。

作者から　必読→←人物紹介

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す