【短編集】水溜りに泳ぐお魚

トミーサイズに、２【TOMMY】 ページ12

「うぇ？！ って、ミカン……？」



ミカンが飛んできた方向を辿っていけば、
そこには満足そうな顔をしたトミー。

その瞬間、心までもが温まる。



「俺も入っていー？」



声よりも何よりも先に、頷くという動作の方が早かった。

先程カンタ君の為に空けておいた幅に、ちょうどトミーがすっぽりとハマる。


……そうか、足りないのはこの人だったんだ



「ミカンちょーだい」

「ねーえー！ 俺のミカン‼」



きっと、カンタ君のために空けておいた幅も。
トミーのことが愛しくて、トミーサイズになってしまったのかもしれない。


二人でいる時間が幸せ


そう、改めて想った日だった。



「俺も入るわ」

「何で来んだよ」



ミカンを口に入れながら喋るトミーの姿は、まるで元ヤンキー。
急に入ってきたカンタ君を、ジトリと湿気のありそうな目で見る。

……あ、元ヤンキーなのか。



「……じゃあ出てくわ」

「……何お前」



出たり入ったり。

キレキレのツッコミ。


カンタ君は、

トミーは、


今日も絶好調のようだ。



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最後の終わり方……


れやーと

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