Y ページ6
もう、日本が何時なのかなんて考えなかった。
一刻も早く、終わらせよう。
その気持ちしかなかった。
クォンさんが心配そうに見ている。
申し訳ないけど、何も言わずに好きなようにさせてほしいと思う。
スマホを耳に、1コール、2コール...3コール目
ｶｲﾄ「もしもしA？昨日は電話出れなくてゴメンな。」
A「...」
ｶｲﾄ「スマホ、カバンに入れっぱなしで」
何を聞いても嘘にしか聞こえない。
もう、終わってるんだと痛感した。
A「もういいよ。」
カイトさんの言葉を遮った。
ｶｲﾄ「え？」
A「もういいから」
ｶｲﾄ「A？」
A「この電話が最後」
ｶｲﾄ「は？何言ってんの？」
A「今まで、ありがとう。もう、私の事は気にしないでいいよ」
ｶｲﾄ「A、意味わかんない。ちゃんと話せよ」
A「話す事なんてない」
ｶｲﾄ「じゃ、何なんだよ！」
A「大きな声出さないで！言いたくない事言っちゃうから！」
ｶｲﾄ「だったら、話してくれ」
A「...わかったの。カイトさんが大切にしてる人」
ｶｲﾄ「...」
A「私じゃないのね」
ｶｲﾄ「...A、ちゃんと話させて」
A「自分に嘘をついてでもカイトさんと一緒に居たかったけど、ムリ...」
ｶｲﾄ「A、説明させてくれよ！」
A「勝手にあなたのそばを離れた私のせいだから。ゴメンなさい」
ｶｲﾄ「A！」
A「サヨナラ」
カイトさんの声を待たずに、一方的に電話を終わらせた。
立っている事が出来ずに座り込んでしまった私に、クォンさんが駆け寄ってきた。
何も言わずに私の肩を抱いてくれるクォンさんに、
A【もう少しここにいるから...先帰って。】
G【俺もいる】
A【大丈夫。やけになったりしないから】
G【一人にはさせない。】
A【本当に大丈夫。死んだりしないよ。絶対。だから、一人にして】
G【ダメだ】
A【何で！お願いだから、あっちいって！】
G【...】
A【お願い。あなたにだけは、頼りたくないの。】
今の私は、人を傷つける言葉をしか出てこない
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作者名：yui | 作成日時：2017年12月2日 14時
