Y ページ5
レストランで食事をした。
心配そうに私を見てるクォンさんに、大丈夫な所を見せたくて、いつもより頑張って食べた。
安心した顔を見れて、頑張った甲斐があった。
クォンさんが、レストランの様子をインスタにUPしていた。
クォンさんや、真由美さんのFBやインスタの投稿を見せてもらった。
これまで、怖くて手を出さなかったけど、世界のどこにいてもリアルタイムで繋がれるという事に、興味がわいた。
私がネットをやらないだけで、皆はこうやって繋がりを持ってるんだと思うと、正直、羨ましく感じられた。
カイトさんもやってるのは知っていたので、見てみたくなった。
...
...
私の不安が、画像となって写っていた。
私の知らないカイトさんの世界
この中には、私の存在は見当たらなかった。
遡っていく、指先を止められない。
私の願う事は何もないというのに
そして、去年のカイトさんの誕生日の投稿...
バースデーケーキとグラスが二つ
やっと指を止める事が出来た。
...
...
知らなければ...
気がついていても、知らない振りができれば、
あなたと一緒に居たかった
自分に嘘をつく暇も、
自分に言い聞かせる時間もない...
こんな瞬間に、クォンさんと一緒だなんて...
私は、この人の前で嘘を突き通す自信がない。
この人は、私の嘘なんて簡単に見破るもの。
現実を突きつけられても、どうする事も出来ない私は、涙さえでなかった。
レストランを出て、展望台まで歩いた。
どこに行きたかった訳じゃない。
この苦しみから逃れられるなら、どこにだって行きたかった。
カイトさんや相手の人に対して、憎しみや裏切られたという感情は、まだ湧いて来なかった。
あれほど、愛してくれた人の心を変えてしまった自分自身に腹が立っていた。
結局、自分の事しか考えてなかった私のせい。
まだ、カイトさんを恨んだり、憎んだりしていない今、終わりにしたい。
時間が経てばたつほど、憎悪の気持ちが私の心に拡がっていくのが目に見えてる。
現実から逃げているだけかもしれない。
だけど、今でさえ自分の力で立っているのがやっとなの。
これ以上傷ついて、誰かに支えてほしいなんて思わないように、
誰のためでもない、
自分を守るためだけに、電話をかけた
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作者名：yui | 作成日時：2017年12月2日 14時
