Y ページ27
A【...いないみたい。】
G【じゃ、行くぞ】
アパートの前に人影はない。
通りの反対側の路地から様子を伺っていた私達は、勢いよく飛び出した。
素早くアパートのドアを開け、中に入り、螺旋階段をのぼる
G【何階？】
A【５階】
G【エレベーターは？】
A【あったら、階段使ってないでしょ】
G【なぁ、わざわざ家にとりに帰るより、必要な物買った方が早いって】
A【そんな余裕、私にはないの。】
G【俺が買ってやるよ】
A【結構です！】
G【俺は、ぜーんぜん余裕だから、大丈夫なのに】
A【出た！イヤミ】
G【ここで会ったら、何の意味もないじゃん】
A【だから、細心の注意をはらってるんでしょ？文句言ってる暇あったら、早くのぼって！】
目の前をダラダラのぼるクォンさんのお尻を叩いた
G【もう、疲れたぁ...後何階？】
A【後１階だから、自分でのぼってよ！】
私に押してもらって階段をのぼるアイドル
G【貧乏って、大変なんだ...】
A【普通なの、これが(怒)】
G【やっと、ついた〜】
A【いつもの倍疲れた】
部屋に入り、必要な物をバッグに詰め始めた。
G【来週帰国でしょ？家具はどうすんの？】
A【ここ、家具付きなの。家電は、日本で使えないから、真由美さんに譲ったり、処分するつもり】
G【日本のマンションとは全然違うな(苦笑)
生活観ある】
A【そうだったね。あの時はコレだけが、大切だったんだ...】
チェストの上の小皿から、腕時計を取り出した。
G【これ？】
A【ケイの形見】
G【そっか】
A【あの頃と比べたら、大切なもの、だいぶ増えたなぁ】
G【良かったな】
A【あ、いけない！早く用意しなきゃ】
窓際に腰掛けて外を見てるクォンさん
いっこうに手伝う気はないらしい
G【...いっそ、きちんと話せば？】
A【...】
G【ちゃんとけりつけた方がさぁ】
A【...】
G【別れるって決めたんなら、大丈夫なんじゃないの？】
A【...】
G【なぁ、聞いてんの？】
A【もう、うるさいの！！ゴチャゴチャゴチャゴチャ言わないで！】
G【そんなに怒んなくてもよくない？イライラしちゃって...更年期？(笑)】
A【窓から突き落とすわよ】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yui | 作成日時：2017年12月2日 14時
