K ページ13
早朝のAからの電話。
夜、仕事をしている俺の生活サイクルを知っているAは、この時間に電話をしてくる事はなかった。
Aの電話をすぐにとる事が出来ない。
後ろめたい気持ちがあるせいだと思う。
いつものように、嘘の言い訳をしてしまう。
そしていつものように、Aは決して怒らず、決まって俺を許し、何事も無かったように振る舞う。
...そんな風に思っていたんだ。
今までなら、そんなAにイラついていたはずだ。
だけど、今日は、そんな風に接してくれる事を期待していた。
本当に勝手だと思う。
来週末に帰国するA
その時、俺達は、前のような関係に戻れるのか不安になる。
別れを考えた事もあったけど、
結局、別れを選ぶ事なんて出来なかった。
俺一人で、もがいてるような気がしてた。
だけど、今日から新しく始めればいい。
前のように、Aを大切にするんだ。
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Aからの電話が切れた...
何が起こった？
Aが、俺に別れを言ったのか？
Aが、彼女の事を知ってた...
真由美ちゃんが言ったのか？
Aが、俺に別れを...
何も言えなかった。
何も言わせてもらえなかった。
こんな事、初めてだ...
Aが、俺の話を聞かないなんて...
俺と、もう会わないのか？
Aにもう会えない？
そんなはずはない...と思う気持ちでいっぱいだった。
体が震えて、スマホをもつ手に力が入らない。
何かの間違いだ...
Aに電話をかけ直した。
...
間違いじゃない...
Aに電話が繋がる事はなかった。
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作者名：yui | 作成日時：2017年12月2日 14時
