G ページ48
Aを探していた
もしや怒って帰った?
このまま、サヨナラなんて出来ない。
あんなにも、Aへの気持ちが終わっている事を自分自身で願っていたのに...、変わらぬ気持ちに気がついてしまってからは、もう止まる事なんて出来なくなっていた。
2年前...
カイトさんの事が好きなAを好きになった。
そして、Aの一番の幸せを願って、諦めたはずだった。
今日...
カイトさんと付き合ってるAを未だに好きだと気づいた。
そして、Aの幸せが自分であってほしいと願っている。
[来週末に帰国する...]
真由美の言っていた言葉が頭をよぎる。
それまでが、最後に与えられたチャンスなんだと、勝手に解釈した。
想いをきちんと伝えないまま終わろうとした2年前。
結局、忘れる事なんて出来なかった。
今回は、想いを隠したくない。
人混みを掻き分け、Aを探した。
人気のない通路にAの姿を見つけた。
かっこよく声をかけたかったが、出てきた言葉は謝罪の言葉。
そしてやっぱり、最後には俺を許すA
...あれ?
笑顔で話してるけど...
Aの雰囲気がおかしい..
カイトさんと電話してたらしい
...上手くいってない
そんな事、一瞬でわかる。
何が原因かは、わからない。
だけど、Aが100%幸せじゃないんなら、カイトさん、俺は遠慮しないよ。
G【A、明日何か用事ある?】
A【別にないよ】
G【じゃあ、イタリア観光連れてってよ】
G【ジェラートおごってやるから(笑)】
A【ガイド代が、ジェラート?(笑)】
良かった。いつもの笑顔に戻った
A【東京のリベンジ(笑)今回のイタリア観光は、自信あるよ(笑)今度こそ任せて(笑)】
俄然やる気をだし始めたA
既に気持ちは明日なのか、俺を放ったらかしで、ぶつぶつ言いながら、明日のプランを考えてる
そんな姿を見ながら、ふと考えていた。
仲直りが出来て良かった...
自分の気持ちだけで暴走していた事を反省している。
今の俺..."あの男"とどこが違うんだろう
あの男とリンクする自分に恐ろしさを感じる。
Aの笑顔を見ると安心する。
この気持ちを大切にしようと自分に言い聞かせた。
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作者名:yui | 作成日時:2017年11月20日 14時