会いたい人は...４ (ページ46)

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クォンさんは、相変わらず楽しい人で、話していると、あっという間に時間が過ぎていく。

２年振りに会ったとは思えないほど、二人の間に違和感はなくて、一緒にいると心地よささえ感じた。

ただ、ちょっと変わったなと思うのは、
視線と思わせ振りな態度をとる事かな...

ふとした瞬間に感じる強い視線に、私はどうしたらいいかわからなくなる。

最初は気がつかない振りをしていたけど、徐々にその視線で見られる事が多くなっているような気がする。

その上、思わせ振りな態度をとるクォンさんに困惑していた。

私にそんな態度をとる必要はないし、もし、誰にでもこんな風に接していたとしたら、あらぬ誤解を受けかねない。

２年間、男だらけの場所で過ごしていたから、
女性との距離感的なものがわからなくなっているのかもしれないとも思った。

だとしたら、私が忠告してあげようと思ったのに、茶化してまともに聞こうとしないんだから、頭にきちゃった。

クォンさんをおいてテラスを後にし、部屋に戻ると、真由美さんが飲み物を持ってきてくれた。

真「クォンさんは？」

A「知らない(怒)」

真「もう、喧嘩したの？」

A「喧嘩っていうか、全然話通じないの！」

テラスでの出来事を話した。

真「どうしようもないわね(呆)」

A「でしょ？」

真「あなた達二人の事よ(苦笑)」

A「え？私も？！」

真「鈍いのもここまでくると、逆に凄いって感じるから不思議よねぇ(苦笑)」

A「何？誉めてないって事はわかるんだけど(怒)」

真「クォン君、変わってないわよ」

A「？」

真「変わりたかったみたいだけど」

A「ねぇ...私にわかるように話して」

真「悪いわね。そこは私から話すことじゃないから」

A「何よ...私だけ知らないなんて...」

真「知りたいの？」

真面目な表情で言うから、聞くのを躊躇ってしまう。

A「...」

真「隠すつもりもないようだから、知りたくなくても知る事になるかもね」

真「その時、あなた、どうするかしら」

直感的に、知らない方がいいような気がした。