会いたい人は...４ (ページ26)

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話し合いページ26

ホテルに入ると、通路に男が二人立っていた。

俺とスンリは、一瞬立ち止まったが、すぐに歩みを進めた。

男の一人が、

『約束通り、連れてきたぞ』

無表情のまま、もう一人の男を顎で示した

G『ありがとう。迷惑かけたな』

もう一人の男は俯いたまま、こちらを見ようともしない

『もう逃げようなんて思わないと思うぞ』

俯いた男の手首にアザが見えた。手荒な事をされたんだろう。それについては、触れないようにした。

『警察いるんだろ？俺はここまでな』

G『あぁ。礼は送るから...』

『あぁ。妹が喜ぶよ』

表情を崩し、優しく微笑んで、ロビーとは逆方向の通路に消えていった。

G【じゃあ、中に入ろうか】

男【...】

ドアを開けて入るように促した。

中に入ると、弁護士と警察官が待機していた。

男は俯いたまま、指し示された椅子に素直に座った。

Aの姿がないので、弁護士に確認すると、弁護士は無言で首を横に振った。

やっぱりダメだったか...

A抜きで話し合いが始められた。

まず、男の身元の確認が行われ、俺がAの代理として話し合いに参加する事を説明した。

男は、黙って俯いたまま、目線だけは俺を見ている

弁護士が、単刀直入にAに近づかないと約束できないかと聞いた。

既に罪を償っている事から、これ以上Aに近づかないと約束してくれれば、問題としないと告げた。

男は俯いたまま、口を開こうとしない。

G【Aと会って、何がしたいの？】

率直にそれが聞きたかった

男【...お前に言う必要はない】

G【俺は、Aの代理だって言ったよね。俺に言えないなら、Aには伝わらないよ】

男【そんな事、誰が決めたんだ！Aは、俺のものだぞ！お前は、引っ込んでろよ！】

男が、立ち上がり机を叩いた。

警察官は、素早く男の後ろに周り腕を抑えた。
スンリは、俺を庇うように横に立った。

G【Aは、お前のものじゃねぇよ】

男【俺のものだ！】

大声で捲し立てる男

G【違う】

男【お前のものだって言いたいのか？！】

G【それも違う】

男【...】

G【Aは、誰のものでもねぇよ。Aは、A自身のものだ。】

男【...だから何だ？俺達の邪魔するな】

G【俺達？Aは、望んでるか？お前との関係】

男【...俺達は、運命の相手だ...】