会いたい人は...４ (ページ21)

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結局、私は機上の人となり、イタリアに向かっている。

クォンさんからの電話には、驚いたし、どうしても放っといてくれない彼に、声を荒立ててしまった。

クォンさんは、私が必死で逃げる算段をしている時に、この事を解決すべく、動いてくれていた。

真由美さんもクォンさんと同じ事を言っていた。

信頼する二人の意見だからこそ、希望を持ってしまう自分がいた。

確かに、逃げるだけでは、何の解決にもならないかもしれない。

あの男の気持ちが変わらない限り、一生怯えて暮らさなければならない。

あの男に見つかる度に、大切なものを失い、逃げ続ける事に耐えていけるだろうか...

いつか、私は何のために生きているのかわからなくなるに違いない。

自分一人で解決するのは出来そうにない。

こんなにも頼もしい友人達が、私に手を差し伸べてくれている。

彼らを危険な目にさらしてしまう事の後ろめたさと同時に、その手をとりたいと願う自分がいた。

一週間後、話し合うという。

あの男についても、手配済みというけど...

警察でも、見つからない相手をそう簡単に見つける事が出来るのだろうか

そして、
話し合いには、私も同席するべきだと言ったクォンさん。

それに関しては、それまでクォンさんと同意見だった真由美さんが、強く反対した。

真由美さんは、私の心の傷が癒えてない状態で会わせるべきではないと...

二人の言い合いを聞いていて、私はどうすればいいかわからなかった。

あの男に捕まった時、私の心と身体は悲鳴をあげた。

話し合いどころか、その場に行けるかどうかさえわからない

結局、私抜きで話は進み、専門家や医者の意見を聞いて考える事となった。

万が一を考えて、このままイタリアに渡り、一週間後に戻って来ることになった。