Y-M ページ16
A「話すから...、私がこれからどうするかは、誰にも話さないって、約束してくれる？」
真「...わかった。」
A「とりあえず、ここから離れたいんだけど」
周りを気にする私に
真「Aさんの行きたいところに行きましょ。」
A「...」
真「どこか行くつもりなんでしょ？」
スーツケースを指差した
A「...成田まで」
真「成田？！まさか...海外？！」
A「...」
真「何がなんでも聞かなくちゃならないわね」
A「...」
真「何時の？」
A「12時」
真「どこに？」
A「...ローマ」
真「......」
A「あの...イタリア.」
真「知ってるわよ！(怒)」
A「ゴメン...」
真「...そんな..急に...」
真「昨日...別れてから何があったの？」
A「何から説明したらいいか...」
真「どっからでも」
私達は、リムジンバスに乗り込んだ。
私は、７年前の事から昨日の夜の話をゆっくり話した。
途中で苦しくなって、何度も言葉が出なくなってしまったけど、真由美さんは、一切口を挟まずに黙って私の話を聞いてくれた。
これまで、自分の事を話した事は無かった。
思い出すことさえ怖かった話...
病院でも、何度となくパニックに陥り、
結局、克服出来なかった心の傷
真由美さんに話せてる自分に驚いていた。
この２週間で、急激に大切なものが増えた。
大切なものが増える度に、過去に向き合う気持ちが強くなっていく。
ずっと避けてきた話を口に出した事で、
７年前の出来事が、過ぎ去った過去なんだと思う事が出来た。
話を終えた私を、真由美さんは優しく抱き締めてくれた。
真「ゴメンね。辛い話させて...」
A「..聞いてくれて、ありがとう.」
真「Aさん...ここに居なよ。」
A「...」
真「ずっと逃げ続けるの？」
A「...」
真「逃がす手助けをしても、Aさんを守ったとは思えない」
真「何が起きるかなんて、わからない。
だけどね、今度は対策がとれるじゃない。
ここでキッチリ解決するの。」
A「...ムリだよ」
真「Aさん...」
A「自分だけが傷つくなら耐えられる...でも、他の人が傷つく可能性があるってだけで、耐えられないの」
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作者名：yui | 作成日時：2017年11月20日 14時
