会いたい人は...４ (ページ31)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:47,170 hit

話し合いページ31

男と向かい合って席についた

恐い...

セーターの裾をぎゅっと強く握りしめて逃げだしたくなる気持ちを堪えた

男【...】

A【...】

言葉が見つからない

男【...俺.】

男が口を開いた。
男の声を聞いた途端、嫌悪感が全身を包んだ

A【もう、私を忘れて下さい...お願いします】

男の声を遮るように、一方的に言った。
一言だって聞きたくない

男【...あなたを傷つけるつもりは...何であんな事..あんな...】

今更、後悔されてもケイは戻って来ない。
今まで抑えてきた憎しみが溢れて止められない。

A【...私を殺してほしかった】

男【！！】

A【ずっと、あなたと...出会った自分を恨んでた。】

男【...】

A【...もう、二度と私の前に現れないで。それでも止めないというなら...私だけを殺せばいい】

男【...】

G【...A、こいつさ.】

男【殺せない...あなたが好きだから...】

目眩がした

A【もう、やめて！】

叫んでいた

男【...俺が死にます...】

A【そういうのも、もう嫌なの！】

気が変になりそうだった

ｶｲﾄ【A！A、...ちょっと落ち着け】

震える私の肩に手をおき、興奮してる私を落ち着かせてくれる

私が落ち着くのを見計らって

G【A...こいつの話...聞けるか？】

A【...】

G【話せるか？】

男に聞いた。

男は頷いて口を開いた

男【俺は、あなたを...あなたの大切な人を殺したい訳じゃない...】

男【俺は...いや...今更、俺が語る必要なんてない...もう、いいです】

席を立とうとする男を制したクォンさん

G【おい...逃げんな。ちゃんと自分と...Aと..向き合え】

クォンさんの言葉に、男が意を決した様子で私に向き直った

男【...あなたが好きだった。何度も止めようって思ったけど...どうしても。どうしても諦められなかった。今日までずっと...】

男【あなたを苦しめたかった訳じゃなかった】

男【泣かせたかった訳でも...】

男【俺は、あなたを幸せにしたかった...】

男【俺が言うセリフじゃないな。】

男【俺が与えた苦しみ全てを謝りたい...】

男【もう、二度と現れません。】

男【どうか...どうか...幸せでいて下さい...】

その言葉に、はっとした。