会いたい人は...３ (ページ46)

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45Y ページ46

あの男だった。

だいぶ風貌は変わっていたけど

間違えようがない

あの目...

私をいとおしそうに見つめる目

７年前と全く変わっていなかった...。

忘れたくても忘れる事が出来ない

忌まわしい記憶

消し去りたい

私の存在を

ケイが居なくなったのは...私のせい

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アメリカの大学に進学した。

自由な気風と、様々な人種の集う国。

この国に魅了され、

大学卒業後もアメリカに留まり、ホテルに就職を決めた。

初めて配属されたのは、フロント係。

どんくさい私は、毎日失敗ばかり...

人より倍頑張らないと、人並みにはなれないのは自分が一番よく知ってる。

早く一人前の仕事が出来るよう必死だった。

あ...今日も見れた(嬉)

私には秘かに憧れている人がいた。

コンシェルジュのケイさん。

男女問わず、人気者のケイさん。

お近づきになろうなんて、だいそれた事は、考えてなかったから、見ているだけで充分だった。

ある時、小さな女の子が人形を抱えて座っていた。
両親がチェックアウトの手続きをする間、待ってるんだろう。
両親が、女の子の手を引いて帰って行く。
女の子が私に向かって手を振ってくれたので、私も振り替えした。
あれ？さっき抱えていた人形を持ってない。
座っていたソファを見ると、人形を置き忘れていた。
私は、待っているお客様がいるにも関わらず、人形を持って走った。
女の子がタクシーに乗る寸前に、人形を渡す事が出来た。
女の子の笑顔が見れて、満足げに戻った私だったが、その後、こっぴどく叱られてしまった。

休憩時間、屋上のベンチでしょんぼりしてると、隣に誰か座った。
顔をあげると、ケイさんが覗きこんでいた。

突然のケイさんの出現に驚いて固まってしまった私

ｹｲ【足早いんだね(笑)】

A【...】

ｹｲ【ロビーを爆走する人初めて見た(笑)】

A【...】

ｹｲ【お〰い(笑)】

目の前で手をヒラヒラさせる

A【は！！】

我にかえった

私ｹｲ【怒られたの？】

A【はっ！！はい！！】

ｹｲ【声がでかい(笑)】

A【スミマセン...】

ｹｲ【声小さっ(笑)】

A【(笑)】

どうやら、一部始終を見られていたみたい。

ｹｲ【又、同じ事があったらどうする？】

A【う〰ん...又走ります(苦笑)】

ｹｲ【そっか(微笑)】

A【はい(微笑)】

それからしばらくして、私に異動の辞令が下った。