44Y-G ページ45
水道から引き離されたAは、床にへたりこんだ。
【すぐ帰って】
【顔は、絶対に見られないで】
絞り出すような声で言った。
Aの声に胸が苦しくなった。
堪らず、後ろからゆいを抱き締めた
G【お前を放っとけない】
A【私の事はいいから。関わらないで】
G【アイツに何かされたのか？俺が守ってやるよ！】
A【いいの！絶対、何もしないで！】
俺の方を向き、懇願した
A【あなたに何かあったら、生きていけない】
G【！？】
A【今度こそ堪えられない】
G【何で？俺は大丈夫だって】
抱き締める力を強めた
A【もう会わない】
静かに俺から離れたA。
目が合ってわかった。
もう絶対に考えは変えないと...
G【俺は...】
俺の言葉を遮ったA
A【ありがとう...さようなら】
寂しそうに、微笑んだ
その姿が、息をのむほど綺麗だった
俺は、この日のAを何年も引きずる事になった。
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Aのマンションから〖Birds〗に向かった。
カイトさんに、Aの事を話すと、みるみる顔色が変わった。
すぐさまAに電話をしたが、絶対に家に来ないでと言われ、必ず連絡するからと約束して電話を切ったらしい。
その日は、急遽店をcloseにした。
椅子に腰掛け、大きな溜め息をつくカイトさんに
G【行かないんですか？】
少し挑発的に聞いてしまった。
ｶｲﾄ【あぁ。】
G【心配なんでしょ？！だったら！】
ｶｲﾄ【心配だよ！死ぬほどな！！】
いつも穏やかなカイトさんの剣幕に驚いた
ｶｲﾄ【悪い。クォン君にあたっても仕方ないな(苦笑)】
G【俺の方こそ、スミマセン】
G【アイツが誰か知ってるんですか？】
ｶｲﾄ【あぁ。】
苦しそうな顔...
G【アイツ何したんですか？】
聞いておきながら、
何をしたか、予想できてしまった...
ｶｲﾄ【今、Aが誰にも来てほしくない理由。】
ｶｲﾄ【ケイさん...Aの夫を殺したんだ】
当たらないでほしい予想が的中してしまった。
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作者名：yui | 作成日時：2017年11月9日 17時
